SamsungとGSMAは、Android 15ベースのOne UI 7を搭載する全Galaxyスマートフォンで、VoLTE(Voice over LTE)をデフォルトで有効化することを発表した。これにより、ユーザーは設定を探さずとも、LTE回線による高音質通話や通話中のデータ通信が可能となる。特に3Gサービス終了が進む中、この変更は各国の通信環境にとって重要である。

Galaxy S25シリーズを含む最新モデルでは、GSMAのNetwork Settings ExchangeやInteroperability Testingサービスを活用し、オペレーターのIMS設定やGSMAプロファイル#4を通じて広範な対応が実現される見込みだ。一方で、これまで一部ユーザーが直面していた地域やオペレーターによる制限の課題は残る可能性もある。

GalaxyスマートフォンでVoLTEがデフォルト化 設定不要の利便性向上

SamsungとGSMAは、One UI 7およびAndroid 15を搭載するGalaxyスマートフォンで、VoLTEを標準で有効化するパートナーシップを締結した。これにより、ユーザーは設定メニューを探す必要がなく、LTEネットワーク経由での高音質な音声通話を即座に利用できるようになる。VoLTEは、通話中のデータ通信の並行利用やHD Voiceによる音質向上といった利点があり、3G終了後の通信基盤として不可欠である。Galaxy S25シリーズを含む最新モデルでは、GSMAのNetwork Settings Exchange(NSX)およびInteroperability Testingサービスを通じて、オペレーター定義のIMS設定やGSMAプロファイル#4を活用し、幅広い地域で安定した通話体験が提供される見込みだ。

ただし、すべてのオペレーターや地域で完璧な対応が保証されるわけではなく、一部のユーザーが以前報告した利用制限の課題が完全に解消されるかは注目される。また、過去10年間に販売された多くのGalaxy端末がVoLTEに対応してきたが、これまで手動設定が必要だった点が改善されることで、使い勝手の向上が期待される。

3G終了と通信品質の関係 VoLTE普及の背景

3Gネットワークの世界的な終了が進む中、LTE網を使った通話技術であるVoLTEの重要性は増している。実際、AT&T、Verizon、T-Mobileといった大手キャリアはすでに3Gサービスを終了済みで、従来の通話方式では接続できない環境が拡大している。VoLTEの普及は、通話の途切れや接続不良のリスク低減につながり、通信の信頼性を大きく高めると考えられる。

一方、VoLTEの標準化により端末の使い勝手は向上するが、オペレーター側の対応状況や地域差といった課題が残される可能性は否定できない。特に地方や新興国のネットワーク環境では、今後の対応状況に注視する必要がある。スマートフォンの進化が通話体験にまで及ぶ今、通信環境全体の改善がより重要となっている。

VoLTEがもたらす体験向上 今後の課題と期待

VoLTEのデフォルト化により、ユーザーは高音質通話だけでなく、通話中のデータ通信という大きな恩恵を享受できる。HD Voiceの導入による低遅延、高音質の実現は、特にビデオ通話や音声アシスタントとの連携において大きな意味を持つ。さらに、従来型の3G通話では不可能だったアプリ利用やナビゲーションの並行使用が、VoLTEでは可能になるため、日常の利便性は大幅に向上すると考えられる。

しかし、全てのGalaxy端末やキャリアが同じ体験を保証できるわけではなく、今後のソフトウェア更新やオペレーター側のサポート体制が重要な役割を果たす。SamsungとGSMAの連携強化は一歩前進ではあるが、利用者が確実に恩恵を受けられる環境整備のため、継続的な改善が求められるだろう。技術革新がもたらす利便性を最大限活かすには、業界全体の協調が鍵となる。

Source:Android Authority