米国株式市場は4月末、予想を下回るGDP速報値で一時下落したものの、米中貿易協議への期待と大手ハイテク企業の好決算を受けて反発した。マイクロソフトは第3四半期決算で市場予想を上回り、CFOが提示した第4四半期見通しも全体的にコンセンサス超えとなり、終値は8.5%高。メタも第1四半期決算の好結果に加え、2025年に10億ドルのコスト削減を掲げたことが好感され、4.1%の上昇となった。
この2社はいずれもMAG7の構成銘柄であり、株価の上昇はナスダック100を1.2%押し上げた。これにより、S&P500とダウ平均は「リベレーション・デー」関税発表以来の高値圏に回復。一方、地政学リスクの後退や資源関連の報道を受け、原油や金は大幅安となった。
マイクロソフト、CFO発言で株価急伸 Q4見通しが相場の期待上回る

マイクロソフトは2025年4月30日発表の第3四半期決算で市場予想を上回る業績を示し、株価は取引終了までに8.5%上昇した。特に注目されたのは、CFOのエイミー・フッドによる第4四半期セグメント別ガイダンスである。彼女の提示した業績見通しは、最低ラインでも市場コンセンサスを上回る水準となっており、投資家心理の回復に拍車をかけた。業績の中核を担ったのはクラウド部門「インテリジェントクラウド」で、需要堅調が続いている点が評価された。
この好材料を受けて、マイクロソフト株は一時9%近くまで上昇する場面もあり、ナスダック100指数全体を押し上げた。FRBの金利政策が転換点を迎える中、確実性ある業績ガイダンスとセクターの成長性を武器に、同社の存在感はさらに高まった。市場は、AI投資に向けた安定収益基盤の確保という構図に安心感を見出しており、同社の姿勢は他のテック企業にも影響を及ぼす可能性がある。
メタ、10億ドルのコスト削減計画が評価され4%超の上昇
メタ・プラットフォームズは第1四半期決算で予想を上回るEPSを記録し、同時に2025年の支出計画を1130億~1180億ドルへと引き下げた。これにより株価は4.1%上昇し、成長鈍化に対する不安が後退した格好だ。特に評価されたのは、リストラやAIインフラの効率化などを含む1年間で10億ドルのコスト削減プランであり、成長投資と財務健全性の両立を図る姿勢が鮮明になった点である。
決算ではQ2の売上ガイダンスが市場予想と一致したが、サプライズとなったのは構造改革の具体的な進展だった。特にReality Labs部門の赤字縮小方針は、長期的な株主価値の回復を示唆するものと見なされた。一方、広告収入に依存するビジネスモデルに変化がないことから、AI技術との融合がいかに中長期の差別化要素となるかが今後の焦点となるだろう。
好決算銘柄が相場を牽引 GDP悪化も米中報道と企業業績で巻き返す
米国市場は4月30日、予想を大幅に下回る第1四半期GDP速報値を受けて軟調に始まったが、終盤にかけて回復し、主要3指数は揃って上昇して取引を終えた。背景には、米中間の新たな通商協議再開の観測と、マイクロソフトやメタを含むテック大手の好決算がある。特にマイクロソフトのクラウド事業とメタの支出削減方針は、投資家に安心感を与え、ナスダック100は1.2%の上昇となった。
個別株ではAlign Technologyが10%超上昇、NETGEARやFormFactorなども大幅高となった。一方で、QualcommやGlaukos、Confluentなどは決算後に失望売りが広がり、5~8%の下落を記録した。景気後退懸念が燻る中で、企業ごとの業績差が市場全体のボラティリティを高めている。今後の相場は、インフレ指標や金利動向だけでなく、テック各社のAI活用による持続可能な利益成長が左右する展開となろう。
Source:tipranks.com