Meta Platformsが発表した2025年1〜3月期決算は、売上高423億ドル、1株利益6.43ドルと市場予想を上回り、前年同期比で売上16%増、利益37%増となった。加えて、6月期の売上ガイダンスを440億ドルと提示し、為替追い風1%を背景に市場予測を小幅に上回った。

Zuckerberg氏は「重要な年の力強い滑り出し」とし、AI分野での前進を強調。2025年の設備投資見通しは682億ドルに上方修正し、AIデータセンターとインフラ強化を推進すると述べた。また、Metaアプリ群の広告単価は前年比10%上昇し、収益の柱である「Family of Apps」の売上は419億ドルと16%増加。時間外取引では株価が4%超上昇するなど、投資家心理も好転した。

Metaの第1四半期決算、売上と利益が揃って市場予想を上回る

Meta Platformsは2025年第1四半期において、売上高423億ドル、1株利益6.43ドルを計上し、アナリスト予測を大きく上回った。売上は前年同期比で16%増、利益は37%増という成長率を示しており、広告単価の上昇やユーザー増が収益拡大の要因となった。特に「Family of Apps」部門では広告インプレッション数が前年比5%増、平均広告単価が10%上昇し、売上は419億ドルに達した。

Metaはさらに、2025年6月期の売上ガイダンスを440億ドルと提示し、FactSetによる事前予想を上回る水準で市場を驚かせた。為替による追い風が1%分あるとはいえ、この見通しが発表された背景には、関税措置の影響を織り込みながらも底堅い広告需要への自信が垣間見える。Facebook、Instagramなどを含むユーザー基盤の安定成長が、事業の持続的成長を支えていることが鮮明となった。

他方、同社のメタバース関連部門「Reality Labs」は412百万ドルの売上となり、前年比6%減少した。分野による明暗はあるものの、総じてMetaのデジタル広告ビジネスの堅調さが、同社全体の成長をけん引している構図が読み取れる。

682億ドルに増額されたAI投資、Metaの将来戦略を占う鍵に

Metaは2025年の設備投資見通しを従来の中間値625億ドルから、682億ドルへと大幅に引き上げた。このうち大半がAI関連インフラへの投資であり、具体的にはデータセンター強化とインフラハードウェアの調達費用が主な内訳となる。Zuckerberg氏は「AI分野における好調な進捗」として、Meta AIやAIメガネの開発に自信を示しており、AI関連技術が次世代収益源として機能するかが今後の焦点である。

同時に、総費用見通しは従来比で10億ドル減の1,155億ドルに修正されており、積極投資の一方でコスト最適化を同時に図る姿勢がうかがえる。これは短期的な収益圧迫を抑制しながらも、長期戦略に資源を集中する二面戦略と評価できる。

一方、AI分野への巨額投資は、市場からの期待と不安が交錯する局面でもある。過去に巨額を投じたメタバース戦略が収益面で結果を伴わなかった経緯があるため、今回のAI強化が同様の帰結を招かないかは慎重に見極める必要がある。ただし、現在の広告事業が安定している今だからこそ、次なる成長エンジンへの布石を打つタイミングとしては理にかなっているともいえる。

ユーザー基盤の拡大と広告単価の上昇が収益構造に好循環を生む

Metaのアプリ群(Facebook、Instagram、WhatsAppなど)における「デイリーアクティブピープル」は前年比6%増となり、月間ではMeta AIが10億人近くのアクティブユーザーを抱えるまでに成長している。こうしたユーザー基盤の拡大が広告配信量の増加と単価上昇を後押しし、2025年第1四半期の収益拡大を支えている。

広告単価は前年比10%の上昇、広告インプレッションは5%増となっており、広告主にとっての配信価値が向上していることが示唆される。中国発のTemuやSheinといったeコマース大手も引き続き広告主として存在感を示しており、関税制度の変更が一定の影響を与える可能性はあるものの、現時点での収益への打撃は限定的とみられる。

Zuckerberg氏のコメントにもあった通り、2025年はMetaにとって「重要な年」と位置づけられており、その初動としては堅調な滑り出しを見せている。今後の焦点は、成長を続けるユーザー基盤と高単価広告の持続性、そしてAI領域での成果創出が収益にどう寄与していくかにある。ビジネスモデルの転換点を迎える中で、現在の構造的な好循環が継続するかは慎重に見守る必要がある。

Source:investors business daily