ボーイングやロッキード・マーチンなど大手航空・防衛企業に部品を供給するハウメット・エアロスペース(HWM)が、決算発表を前にIBDのブレイクアウト銘柄指数に新規選出された。過去8四半期で機関投資家の保有が一貫して増加し、直近では143のA+格付けファンドが株式を保有する。業績も好調で、前四半期はEPSが40%増の74セント、今期も36%増益が予想されている。

テクニカル面でも注目されており、相対力指数は52週高値を更新。買い水準とされる138.06ドルのダブルボトム形成を背景に、株価は上昇の初動にある可能性がある。ただし、決算直前の買いはリスクが伴うため、市場の反応を見極めてからの判断が肝要である。

決算を前に急浮上するハウメット 機関投資家の買いと成長継続が焦点

ハウメット・エアロスペースは、ボーイング、エアバス、ロッキード・マーチンといった航空・防衛大手に主要部品を供給する存在である。同社は現在、IBDのブレイクアウト銘柄指数に選出され、注目を集めている。とりわけ特筆すべきは、直近8四半期にわたり機関投資家の保有比率が着実に上昇している点だ。3月には、A+格付けを受けた143のファンドが保有し、100.1百万ドル相当の株式が買い集められたとされる。こうした継続的な資金流入は、ハウメットが機関投資家にとって中長期で信頼を置ける成長株と認識されている証左といえる。

業績面でもその評価を裏付ける。過去8四半期でのEPS成長率は26%から54%の範囲で推移しており、直近四半期では前年比40%増の74セントを計上。さらに、2025年第1四半期については78セントのEPSが予想されており、36%の成長を見込む。通年ベースでは21%増益の3.27ドルという市場予測が示されている。売上高はやや減速傾向にあるものの、7四半期続いた二桁成長の後もなお9%増を維持し、次期も6%増を見込んでいる点は底堅さを示す材料である。

このように、ファンダメンタルズにおける確かな成長と資金の流入という二軸が重なり合い、ハウメットは短期的な期待にとどまらず、持続的な評価を受ける構造が形成されつつある。ただし、その評価が今後も継続されるかは、5月1日に発表される決算の中身次第といえよう。

上昇する相対力ラインが示すテクニカルの強さ

ハウメット・エアロスペースの株価は現在、買いタイミングを示唆するテクニカルパターンを形成している。同社の相対力指数(RSライン)は、直近で52週の高値を記録。これは市場全体に対するパフォーマンスの優位性を示す指標であり、同業のトランスディグムやロアもRSラインで同様の動きを見せている。こうした動きは、業界全体の投資妙味が高まっていることを映し出すものと捉えられる。

また、ハウメット株は現在、ダブルボトムパターンを形成しており、138.06ドルを上抜ければ買いシグナルとされる水準にある。さらに、今月に入って同社は前回のパターンの安値を下回ることでベースカウントをリセットし、1段目の新たな形成期に入った。これは初期ステージのブレイクアウトが成功しやすいという市場の経験則において、有利な要素とされる。加えて、株価は短期的な21日指数平滑移動平均線と50日移動平均線の関係性にも注目されており、現在はその回復が確認されつつある段階にある。

ただし、テクニカルが整っていても、肝心の決算内容が市場の期待に届かなければ、パターンは崩れかねない。株価は既に決算期待をある程度織り込んでおり、結果が不十分であれば反動安のリスクも存在する。したがって、ブレイクアウトを狙う投資家にとっては、決算後の価格アクションと出来高の動きが最も重要な判断材料となる。

同業他社との比較で際立つ成長持続力と市場評価

ハウメット・エアロスペースは、同じくIBDのブレイクアウト銘柄に選ばれているトランスディグム(TDG)やロア(LOAR)と並び注目されているが、比較の中でも際立つ特徴がある。それは、成長の持続力と機関投資家からの厚い支持である。ロアがカップウィズハンドル型のパターンでブレイクアウトを果たし、トランスディグムが第三ステージのコンソリデーション終盤にある中、ハウメットは初動段階である点が重要だ。市場では、初期ブレイクアウトの方が成功確率が高いとされており、これが投資タイミングとしての魅力を増している。

また、ボーイングも同様にダブルボトムパターンを形成しており、184.40ドルが注目水準とされているが、ハウメットの方が機関投資家による保有拡大と、RSラインの上昇という2つの軸で先行している。このように見れば、単に業界全体の動きに乗るのではなく、銘柄選定の精度が重要であることを示唆している。

ただし、ハウメットは過去に急落を伴う変動性も見られており、需給が傾いた際には大きな揺り戻しも想定される。今後は、同業他社の決算も含め、セクター全体の動向を見ながら個別の強さを見極めることが求められる。成長性とともに評価の妥当性にも注目が集まる局面に入っている。

Source:investors business daily