MicroStrategyのマイケル・セイラーが、総額210億ドルを調達しビットコインの大量取得を計画していると発表した。2025年5月1日の報道後、BTCは2時間で5.2%上昇し、流動性と市場心理の両面で劇的な変化を引き起こした。

この動きは同社がすでに保有する21万4,000BTCに追加する形となり、市場に対する影響は一企業の枠を超えている。取引量の急増や大口保有者の買い集めも観測され、投資家心理は「強欲」へと傾斜。ビットコインはテクニカル指標でも強気相場の兆しを見せており、短期的な価格上昇の余地が示唆されている。今後は62,000ドルの抵抗水準と市場の利確動向が鍵となる。

ビットコイン急騰の引き金となったセイラーの210億ドル調達計画

2025年5月1日、MicroStrategyのマイケル・セイラーは、総額210億ドルの資金を用いたビットコイン追加取得を計画していることを発表した。発表直後、ビットコインは2時間で5.2%上昇し、CoinMarketCapによれば58,400ドルから61,440ドルまで急騰。ビットコインの時価総額もこの動きとともに600億ドル増加し、1.22兆ドルに到達した。さらに取引量も38%増加し、420億ドルを超える規模が主要取引所に記録された。このような急変は、これまでにもセイラーが大規模購入に動いた直後に観測されており、市場における彼の影響力の大きさが改めて浮き彫りとなった。

一方、オンチェーン分析では、100BTC以上を保有するウォレットの取引が12%増加し、大口投資家の行動にも変化が見られた。これに加えて、恐怖・強欲指数も54から68へと急上昇し、投資家心理が一気に強気へと傾いたことが確認されている。ビットコインは現在、200日移動平均線の突破を試す水準に位置し、市場では今後のテクニカル抵抗を巡る攻防が注目されている。こうした複数の要素が複合的に絡み合い、セイラーの発言が市場構造そのものに波及する力を持つことが明らかになった。

取引所からの大量流出が示す長期保有志向の強まり

CryptoQuantのデータによれば、ビットコインの純取引所流出量は2025年5月1日だけで-18,400BTCに達し、これは直近の平均を大きく上回る規模であった。この動きは、機関投資家や長期保有者が買い集めたビットコインを取引所から自己保管ウォレットへ移している可能性を示している。また、Glassnodeの統計ではアクティブアドレス数が同日に15%増加し、110万件を超えた。これは市場への参加者増加とも読み取れるが、同時に保有者が積極的に移動・管理を始めている兆候とも考えられる。

このような流出トレンドは過去にも強気相場の初動で確認されており、需給バランスの崩れが価格上昇を促進する構図を形成しやすい。実際、Chainlink(LINK)などの関連銘柄も2.9%上昇し、資金がビットコイン以外のインフラ系トークンへ波及している現象も見受けられる。価格のテクニカル指標もこれを後押ししており、MACDでは強気のクロスオーバーが観測され、1時間足チャートでトレンド転換の兆しが浮かび上がった。これらの動きは単なる短期的な反応にとどまらず、投資家の資産配分やリスク選好の変化にもつながる可能性がある。

価格水準とテクニカル指標が示唆する今後の焦点

5月1日午後の市場では、BTC/USDT(バイナンス)でビットコインが4.8%上昇し、61,200ドルで取引された。一方、BTC/ETH(クラーケン)では3.1%の上昇にとどまり、ペアによる反応差が明確に表れた。テクニカルでは、日足のRSIが68に達し、過熱感がやや意識される水準に近づいているものの、MACDは上昇シグナルを維持しており、短期のモメンタムは依然として健在といえる。注目すべきは62,000ドル付近に形成されている抵抗帯であり、ここを突破できるかが次の市場の方向性を大きく左右することになる。

さらに、バイナンスでの取引量が発表から12時間以内に250億ドルに達し、これは直前の24時間平均と比較して45%増加という異例の水準である。これにより、短期筋による仕掛けと長期投資家の蓄積が同時に進行している構図が浮かび上がる。こうした流動性の集中は、一時的な高値警戒を招く一方で、サポート帯の底堅さを形成する要因ともなり得る。価格の推移は今後、利確売りと新規参入の綱引きによって高ボラティリティが続くとみられ、市場参加者には慎重なシナリオ分析とポジション管理が求められる局面である。

Source:Blockchain.News