Appleの次期iPhone 17シリーズは、従来Proモデル限定と見られていた12GBのRAMを全モデルに採用予定とされ、来年のiPhone 18は高速かつ省電力なLPDDR5Xメモリを搭載する見通しである。Apple Intelligence強化が背景とされるが、実際の体感性能向上は今後のソフトウェア次第といえよう。

一方、Vision Proの軽量・低価格版「Vision Air」については、著名リーカーMark Gurmanが年末から2026年前半の発売可能性を示唆しており、従来報道を覆す動きとして注目される。ただし重量・価格の課題解決が短期間で実現するかは疑問視される余地が残る。

また、間もなく公開されるiOS 18.5は、中国向けApple Intelligenceサポート、新たなプライド壁紙、その他の壁紙追加などが搭載候補とされ、リリースノート上の目玉機能として期待されるが、主力はあくまで次期iOS 19に移る可能性が高いと考えられる。

iPhone 17の全モデルに12GB RAMが導入される背景と狙い

Appleは次期iPhone 17シリーズにおいて、これまでProモデルのみに限定されていた12GB RAMを全モデルに搭載する方針を取るとされる。WeiboのリーカーDigital Chat Stationが明かしたこの情報は、Apple Intelligenceの強化が主目的と見られている。

従来、標準モデルでは抑制されてきたハードウェア仕様が一斉に底上げされることは、過去の低価格モデルやミッドレンジ機種の動向を踏まえても大きな転換点といえる。さらにiPhone 18シリーズでは次世代LPDDR5Xメモリが採用される見込みで、これによりデータ転送速度の向上や消費電力の抑制、システムの信頼性強化が図られるとされる。

ただし、このハードウェア増強が直ちにユーザー体験の革新につながるかは不透明である。Apple Intelligenceを中心としたAI機能の展開が、iOS 19やiOS 20といった次期ソフトウェアアップデートで初めて本格化する可能性があるため、現行の利用環境ではオーバースペックとなる可能性も否定できない。

市場ではメモリ容量競争が続くが、Appleは単なるスペック拡張ではなく、統合的なソフトウェア・ハードウェア最適化による体感向上を重視する姿勢を見せてきた。今回の動きはその一環であると慎重に見守る必要がある。

Vision Airの登場時期と軽量・低価格戦略の現実性

Appleの新型デバイス「Vision Air」に関しては、著名アナリストMark Gurmanが2025年末から2026年前半にかけての登場可能性を指摘している。Vision Proの後継製品と位置付けられ、軽量化と低価格化を特徴とするこのモデルは、従来の高価格・高重量という制約を突破する存在として期待されている。

AppleはこれまでVision製品チームの方向性が定まらないと外部から揶揄されてきたが、裏側では長期間にわたる新モデルの開発が進んでいた可能性がある。しかし、Vision Proの2大課題である重量と価格を短期間で劇的に改善できるかについては、慎重な見方が必要である。

Appleの設計哲学として、品質や性能を犠牲にしたコストカットは採用されない傾向が強く、Vision Airが現行のVision Proの経験値をどこまで継承・簡略化できるかは見通しが立たない。Gurmanが示唆するスケジュールが現実化する場合、Appleは相当程度の設計上のブレイクスルーを水面下で確立していることになるが、それが市場投入後にユーザーにどう受け止められるかは未知数である。

iOS 18.5に搭載予定の新機能と小規模アップデートの意味

間もなく公開予定のiOS 18.5では、ベータ版では目立った新機能は発見されていないものの、Mark GurmanおよびAaron Perrisの情報によれば、最終リリースでは中国市場向けのApple Intelligenceサポート、新たなプライド壁紙、その他の追加壁紙が導入される可能性が高い。

これらはリリースノートの目玉要素として位置付けられ、既存ユーザーに対する細やかな価値提供を意図していると推測される。一方で、これらの新機能はあくまで小粒であり、次期iOS 19に焦点が移る過渡期的な役割にとどまると考えられる。Appleは例年、主要アップデートで大規模な機能刷新を行い、点更新では限定的な修正や付加要素に絞る傾向を見せている。

iOS 18.5が抱える意義は、いかにユーザーの期待を適度に繋ぎ止めつつ、次期メジャーリリースに向けた準備段階としての安定性や互換性を確保するかにある。小規模ながら重要なマイルストーンとなるこのアップデートに、今後も目を向ける必要があるだろう。

Source：9to5Mac