サムスンは2025年後半、Huawei Mate XTの競合機とされるトライフォールド型スマートフォンの投入を示唆している。決算説明会で「新製品セグメントの模索」と「フォルダブルラインナップの強化」を明言し、Galaxy Z Flip7やFold7に加え、初のGalaxy G FoldやFlipのファンエディションが噂されている。
MX部門副社長ダニエル・アラウホ氏は、携帯性と性能を向上させたAI体験の最適化を強調し、画面形状を超えた実用性と品質の確保を開発の鍵と語った。Mate XTとの差別化と品質への慎重姿勢は、初代Foldの失敗を教訓とする戦略ともいえる。
発売が現実化すれば、フォルダブル市場の競争は新段階に入り、ハイエンドユーザーの注目がさらに高まる可能性がある。
サムスンがトライフォールド型スマホを年内投入か 決算説明会で示された方針

サムスンは最新の決算説明会において、2025年後半にフォルダブル製品群を強化する方針を明らかにし、トライフォールド型スマートフォンの投入が注目を集めている。HuaweiがMate XTで先行する中、サムスンはGalaxy Z Flip7、Galaxy Z Fold7、さらにGalaxy Z Flipのファンエディション(FE)、そして初のトライフォールドモデル「Galaxy G Fold」の開発が進行中と噂されている。同社は「新製品セグメントの模索」や「新しいエコシステム製品」といったキーワードを繰り返し、既存製品とは異なる新領域への意欲を示している。
計画グループのコーポレートVP、ダニエル・アラウホ氏は、フォルダブル市場でのリーダーシップを維持するため、携帯性や性能を重視したAI体験をさらに進化させると述べている。特に大画面向けのフォールド、携帯性重視のフリップ、それぞれに最適化されたGalaxy AIの導入は、競争力向上の要となりそうだ。この発表により、サムスンが2019年の初代Galaxy Foldの失敗を糧に慎重な開発姿勢を保ってきた背景も読み取れる。Mate XTに対抗するGalaxy G Foldが正式発表されれば、フォルダブル市場の競争は一層激化する可能性がある。
性能と品質の進化に焦点 サムスンが掲げる差別化の戦略
ダニエル・アラウホ氏は、新形態の製品においては形状そのものだけでなく、実使用での製品品質と利便性を確保することが重要であると強調した。これは単に新しいフォルダブル構造を市場に投入するのではなく、耐久性や操作性、AIを活用したパフォーマンス最適化など、実際の使用場面で優位性を発揮することを目指していると解釈できる。特にS25シリーズで搭載される高度なGalaxy AIは、フォールドとフリップの両モデルにおいて最適化され、利用者にとっての体験価値を高める役割を担うだろう。
Huawei Mate XTのような既存競合機に比べ、サムスンは製品の完成度を重視し、初代Galaxy Foldで経験した課題を回避する方向で開発を進めていると見られる。ただし、具体的なスペックや発売日、価格帯は依然として明かされておらず、年内投入という予測には慎重さが求められる。これにより、次世代フォルダブルに対する期待は高まる一方で、実際の完成度や市場評価が注目されることになりそうだ。
フォルダブル市場の拡大に与える影響と今後の展望
サムスンが投入を示唆するトライフォールド型Galaxy G Foldは、フォルダブル市場に新たな風を吹き込む可能性がある。現在のフォルダブル市場はGalaxy ZシリーズやHuawei Mate XTといった2つ折りデバイスが中心だが、3つ折り構造の登場によりマルチタスク性能や携帯性が飛躍的に向上することが期待される。ただし、技術的な課題や耐久性、ヒンジ構造の信頼性、価格の高さといった懸念点は依然として解消されていない。
アラウホ氏が強調する「性能と品質の競争優位性」が実現されれば、消費者層の拡大につながり、従来の折りたたみスマホに飽き足らない層の関心を集める可能性がある。市場全体としては、Appleや他社が追随することで競争はさらに激化し、各社がどのように差別化を図るかが鍵となるだろう。サムスンがどの程度まで完成度を高め、市場投入に踏み切るかが、今後のフォルダブル市場の勢力図を左右する一因となりそうだ。
Source:NotebookCheck