Appleは2025年秋、次世代M5チップを搭載した新型iPad Proを発売予定とされる。M4 iPad Proでナノテクスチャガラスを選ばなかったことを後悔する筆者は、今回こそ贅沢仕様での購入を決意している。M4モデルでは1TB以上の高価な構成でしか選べなかったナノテクスチャが、日差し下の作業効率に与える影響が大きいと再評価されたためである。

読者からは「アップグレードは無思考な消費」とする批判的意見も寄せられているが、筆者はM5世代の進化に期待しつつ、将来的なストレージ選択やバッテリー効率改善も視野に入れている。

M4 iPad Proのナノテクスチャ選択がもたらした後悔と価格構造

M4 iPad Proは2024年に登場し、タンデムOLEDディスプレイや超薄型デザイン、改良Magic Keyboardなど大幅な刷新を果たした。しかし、目を引いたのは新たに加わったナノテクスチャディスプレイオプションである。このオプションは追加100ドルという表面上の費用に加え、1TB以上のモデルでのみ提供され、合計価格が1,999ドルに達する構造となっていた。

筆者は購入当初、512GBモデルで十分と判断し、ナノテクスチャを選ばなかった。しかし実際の使用では、屋外作業での反射防止性能が思った以上に重要であることに気づき、後悔を抱えることになった。この構造は単なる技術選択ではなく、Appleが設計した高価格帯誘導の一端とも見て取れる。

価格構造が消費者の選択に直接影響を与えることは否定できず、今後のM5 iPad Proでも同様の販売戦略が用いられる可能性は十分考えられる。

批判されるアップグレード動機と消費文化の一断面

記事に対し、読者コメントでは「単なるドーパミンラッシュを得たいだけの消費主義だ」とする厳しい声が寄せられた。特にBlurft氏のコメントは、13インチiPad Pro用マットスクリーンプロテクターが45ドルで手に入り、かつ取り外し可能で柔軟性が高いと指摘し、アップグレードを「言い訳を伴う浪費」と断じる内容であった。

この批判は、ハードウェアの微細な改善に数百ドルを投じる心理を突き、環境負荷や財政的負担といった社会的観点から問題提起を行っている。確かに消費者側において、技術進化への期待や所有満足感が購買動機となる例は少なくないが、そこには「本当に必要か」という問いが常に伴う。

Appleが生み出す製品の魅力は、このような欲求を刺激する点にあり、単なる製品選択を超えた消費文化の縮図としても位置づけられる。

M5 iPad Proに向けた期待と進化の方向性

M5 iPad Proは2025年秋に登場予定とされ、次世代M5チップの搭載が既に確実視されている。加えて、iPadOS 19によるMac風メニューバーやステージマネージャー刷新など、ソフトウェア面での大幅進化も予定されている。筆者は今回、ナノテクスチャディスプレイ付きの構成で購入を検討しており、これは前世代の後悔から学んだ選択といえる。

また、理論的にはナノテクスチャ仕様によって外出先での明るさ調整が減り、バッテリー寿命が延びる可能性がある点も期待材料である。ただし、Apple製品に対する期待は常に高く、それが市場評価や購買動向にどう影響するかは未知数である。次世代のiPad Proは単なる性能向上だけでなく、消費者の実体験をいかに改善できるかが問われる製品となるだろう。

Source:9to5Mac