SamsungはAndroid 15ベースのOne UI 7をGalaxy S24 Ultraを含むフラッグシップ端末に展開し、デザイン刷新やAI強化を図ったが、ステータスバーの仕様変更が一部ユーザーから不満を呼んでいる。韓国のExynos搭載モデルではロック解除不能の重大な不具合が発生し、展開停止を余儀なくされ、新ビルドBYD9が急遽配信された。アップデート後も指紋・顔認証の不具合や、アプリ互換性、バッテリー消耗といった問題が残り、特にSwiftKey設定が絡むロック解除問題が注目される。

これまでのOne UIアップデートでもS22のブートループやS21 Ultraのグリーンライン問題などが記憶に新しく、最新バージョンでも完全な安定性確保は難しいのが現状といえる。一方、アニメーションの滑らかさやAI機能の向上により、パフォーマンスの進化を実感する声もあり、今後の改善やユーザーからの意見集約が期待される。

One UI 7の展開が引き起こした混乱と修正版配信の背景

Samsungが2025年4月に開始したOne UI 7の配信は、Galaxy S24 Ultraをはじめとする多数のフラッグシップ端末に新たなデザインとGalaxy AIの強化をもたらした。しかし、韓国のExynos搭載モデルではロック解除が不能となる深刻なバグが発覚し、11日から12日にかけて一時的に展開を停止する事態となった。Samsungは迅速に対応し、修正版ビルドBYD9を17日までに公開、米国や欧州、インド、中東といった地域へ配信を拡大したものの、過去のOne UIアップデートと同様、完全な安定性を保証するには至らなかった。

S24 Ultraではアップデートのダウンロード失敗や、インストール中に進行が止まるトラブル、指紋・顔認証の不具合、Microsoft SwiftKey使用時のロック解除障害が報告され、タブレットではウィジェットの互換性問題も目立った。これらはSamsungの大規模アップデートが抱える長年の課題を浮き彫りにし、現場の混乱と修正版投入の重要性を物語っている。

アニメーション進化とAI機能の強化がもたらした利点

One UI 7では、アニメーションの滑らかさや通話文字起こし、ライティングアシスタントといったGalaxy AI機能の強化がユーザー体験を一段と高めた。特にフラッグシップモデルでは、アニメーションの改良によってパフォーマンスが向上し、従来より軽快な操作感が得られるという評価が一部から聞かれる。一方、ミッドレンジ機種では処理能力の差により、ごくわずかな遅延が発生することもあるとされるが、全体としては進化の実感が得られる構成となっている。

新たに追加されたQuick SettingsやNow Barの操作性改善も、使い勝手向上に寄与している。ただし、AI機能の活用においては個人のニーズや用途に依存する部分が大きく、万人にとっての「最適解」とは限らないため、今後さらなるカスタマイズ性の拡充が求められる可能性がある。

今後の課題とユーザーからのフィードバックの重要性

過去のOne UIアップデートを振り返ると、Galaxy S22のブートループやS21/S22 Ultraのディスプレイ緑線問題など、重大な不具合は一度では解消されないことが多かった。今回のOne UI 7でも、ロック画面問題やアプリ互換性、バッテリー消耗といった課題が残り、完全な安定化には追加の対応が必要とされる。Samsungは、Xのダイレクトメッセージ機能を通じて体験談やバグ報告、質問を受け付ける体制を整えており、ユーザーからのリアルタイムな声が改修の鍵を握ると考えられる。

今後は、ユーザーが抱える課題を的確に吸い上げ、迅速な修正を実現できるかが、One UIシリーズの完成度向上における試金石となるだろう。また、AI機能の進化と並行して安定性と信頼性の強化が果たされることが、今後の展開を左右する要素になると予想される。

Source:Sammy Fans