Microsoftが2025年3月末、Windows 11のセットアップ時にインターネット接続とMicrosoftアカウント登録をスキップできる「BYPASSNRO」コマンドの削除を発表し、利用者から強い反発が起きている。Neowin読者の間では、オフライン環境の正当性や中小企業のライセンスコスト問題など、多様な懸念が噴出しており、コメント欄には実用面での批判が相次ぐ。
さらに公式Feedback Hubでも、「bypassnro.cmdスクリプトの削除をしないで」とする投稿が112票の賛成を集めるなど、広範な不満の表れとなった。Microsoftは現在も正式な回答を出しておらず、今後の対応次第ではさらなる議論を呼ぶ可能性がある。
MicrosoftのBYPASSNRO削除が引き起こしたユーザーの不満と実用面での影響

Microsoftは3月末、Windows 11のインストール時にインターネット接続とMicrosoftアカウント登録を回避できる「BYPASSNRO」コマンドの削除を発表した。この決定は、Neowinの読者から強い反発を受けており、コメント欄ではオフライン環境での使用例や中小企業の運用事情が語られた。例えば、読者のtHE_uKERはインターネット未接続環境の正当性を指摘し、他の読者も企業でネット接続を制限する事情に言及した。また、C:AmieはMicrosoftアカウント紐付け後の長時間アップデート待ちを避けるための利用例を示し、特に中小企業がEnterprise SKUに移行するコスト負担を問題視している。公式Feedback Hubには「bypassnro.cmdスクリプトの削除をしないで」という投稿が立ち、112票の賛成を得るなど、単なる技術的問題を超えた広範な問題意識が表面化している。
こうした反発は、単に利便性の問題ではなく、ライセンス体系の硬直性や小規模事業者の事情、さらにはオフライン環境の重要性といった多面的な問題を浮き彫りにする。Microsoftの対応次第では、利用者の信頼や製品選択に影響が出る可能性も否定できない。
小規模事業者や個人利用者に求められる新たな選択肢と課題
今回のBYPASSNRO削除問題で特に注目すべきは、中小企業や個人の利用者が直面する選択肢の少なさだ。コメント欄では、Enterprise SKUのライセンス費用が高額で、ボリュームライセンスの対象が15台以上と現実的でないことが指摘されており、さらにオフラインでの唯一のアクティベーション手段がKMSサーバー(約1,500ポンド)である点も批判されている。これにより、多くの利用者がコストや手間の面で大きなハードルに直面しているのが現状だ。
一方、Microsoftにとってはセキュリティやサポート管理の観点から、クラウド連携やアカウント紐付けを強化する動機が存在する。ただし、こうした方針を一律に押し進めることで、特定のユーザー層を切り捨てるリスクが生じる点は見過ごせない。今後の課題として、例えばPro SKUにオフライン選択肢を用意する、あるいはセットアップ段階でスキップオプションを明確化するなど、柔軟な対応が求められるだろう。
今後のMicrosoftの対応とユーザー間の期待
現時点でMicrosoftは、BYPASSNRO削除に対する正式な回答を出しておらず、公式Feedback Hubでの意見募集にとどまっている。Neowinの記事によると、投稿は検索で見つけにくく、関心のある人が見逃す可能性があるとの指摘もある。こうした状況では、今後のアップデートや正式リリースの段階でMicrosoftがどのような調整を行うかに関心が集まっている。
ユーザー間では、アカウント不要のスキップボタン導入やオフライン環境への配慮といった要望が高まっており、こうした声を無視すればMicrosoftへの不信感がさらに強まる恐れがある。ただし、現時点ではテスト段階であるため、変更が正式採用されるかは不透明だ。こうした背景から、利用者は今後の発表や公式方針の変化を注視していく必要があるだろう。
Source:Neowin