サムスンは2025年7月初旬に発表予定のGalaxy Z Fold7とGalaxy Z Flip7が、デンマークのUL Demko認証を取得し、バッテリー容量の詳細が判明した。Fold7は2,126mAhと2,146mAhのデュアルバッテリー構成で合計4,272mAh、宣伝上は4,400mAhとされ、前モデルと同じ容量を維持する見込みである。一方、Flip7は1,189mAhと2,985mAhの構成で合計4,174mAh、宣伝上は4,300mAhとなり、Flip6比で約300mAhの増加とわずかながらの改良が期待される。また両モデルとも最大25Wの有線充電対応にとどまり、Fold2やFlip4以降変化がない点は注目される。

サムスンがFoldシリーズのバッテリー容量を増やさない理由は依然として不明だが、長年の容量据え置きは設計や重量、熱管理上のバランスを重視した結果と推測される。Flip7のわずかな容量増加はユーザー体験の底上げに貢献し得るが、大幅な改善ではないため、全体の完成度が問われるモデルとなりそうだ。

Galaxy Z Fold7のバッテリー仕様は据え置き設計か

Galaxy Z Fold7は2,126mAhと2,146mAhのデュアルバッテリー構成で、合計4,272mAhとなり、標準容量は4,400mAhと表記される見込みである。これは前モデルのGalaxy Z Fold6から容量に変化がなく、さらに2021年登場のFold3以来、長年にわたり4,400mAhを維持し続けている。加えて、2020年のFold2では4,500mAhとわずかに大きな容量が採用されていたため、むしろ減少した流れともいえる。また、Fold7は有線充電が25Wに限定され、これもFold2から続く仕様で、充電性能に目立った変化は見られない。

こうした仕様の維持には、筐体設計の制約や重量、熱管理の問題が関係していると考えられる。特にFoldシリーズは薄型化やヒンジ耐久性の確保が優先されるため、単純な容量増加は設計上の課題となる可能性が高い。また、折りたたみ構造ならではのデュアルバッテリー配置は、容量拡張の余地を制限する要因ともなり得る。結果として、Fold7では安定性や完成度を優先した仕様が継続されることになったと見られる。

Galaxy Z Flip7は容量増加で日常使い強化へ

Galaxy Z Flip7は1,189mAhと2,985mAhのバッテリー構成で合計4,174mAhとなり、宣伝上は4,300mAhとされ、前モデルFlip6の約4,000mAhから300mAh増加する。この改良は長時間の利用時にわずかながら恩恵をもたらすと予想され、特に外出時の安心感につながる。Flip7の25W有線充電仕様も前モデルから引き継がれており、充電速度の面では大きな変化はないが、容量増加によるスタミナ改善が注目点となる。

バッテリー容量の増強は、折りたたみスマホにおけるユーザーの使い勝手向上に直結する。特にFlipシリーズはコンパクトさが特徴であるため、増量は設計面で難しさを伴うはずだが、300mAh増加はそうした制約の中で可能な範囲の工夫といえる。一方で、容量増加により重量や厚みがわずかに増す可能性もあるため、実機における持ちやすさやバランス感覚がどう仕上がるかが注目される。

サムスンが折りたたみモデルに課題を残す理由

サムスンがGalaxy Z Fold7とFlip7の両モデルで最大25Wの有線充電を維持している点は注目に値する。Fold2からFold7まで一貫して25Wにとどまることから、高速充電技術の進歩をあえて取り入れない選択が見て取れる。また、Flip7でのわずかなバッテリー増量に比べ、Fold7の容量が据え置かれている理由も公式には明かされていない。これらの背景には、熱問題やバッテリー寿命、デザインの最適化といった要素が関わっている可能性が考えられる。

特にFoldシリーズは、画面の大きさやヒンジ機構の複雑さにより、熱のこもりやすさやバッテリー配置の難易度が高いとされる。こうした事情から、単純なスペック強化ではなく、安定性や安全性を優先した判断がなされているとみられる。今後のモデルでは、冷却技術やバッテリー密度の進化によって、新たな容量増加や充電速度向上が期待されるが、現段階では慎重なアプローチが継続される形となった。

Source:GSMArena