サムスンが次期Galaxy Z Flip7およびZ Fold7の量産を開始したと、著名リーカーMax Jamborが報告した。Flip7は6.85インチ内側ディスプレイと4インチカバーディスプレイを備え、前モデル比で画面サイズが拡大する。
一方、トライフォールド型端末「Q7M」(市販名予想:Galaxy G Fold)は部品生産のみ進行中で、組立段階には未突入とされる。推測される要因としては、生産台数の少なさと展開地域の限定性が背景にあり、量産開始の緊急性が低いと見られる。
Galaxy Z Flip7とZ Fold7の量産開始 背景に見える進化の軌跡

サムスンが次世代折りたたみスマートフォンGalaxy Z Flip7とZ Fold7の量産を開始したことは、モバイル業界にとって大きな注目材料である。特にZ Flip7は内側ディスプレイが6.85インチ、カバーディスプレイが4インチと前モデルのZ Flip6から明確なサイズアップが図られており、使い勝手の向上が期待される。また、社内呼称「B7」という開発コードの存在は、技術進化の積み重ねを象徴している。一方、Z Fold7は依然として折りたたみ型端末のハイエンドモデルとして存在感を示しており、量産体制の確立は発売に向けた重要な段階となる。このような動きは、今後の折りたたみ端末市場における競争を一層激化させる可能性がある。
こうした進化は、単なるスペックの向上だけでなく、実際の使い心地にどのような変化をもたらすのかが重要となる。特にカバーディスプレイの拡大は、閉じた状態での操作性を改善し、利便性を高めると予想される。量産開始のタイミングは、2025年後半の市場投入を見据えたものとみられるが、公式発表までは発売日や地域展開の詳細は不透明な部分が残る。
トライフォールド端末「Q7M」の生産未着手 限定展開の影響か
一方で、サムスンの注目技術であるトライフォールド型端末「Q7M」(Galaxy G Foldと予想される)は、現時点で部品生産の段階にとどまり、組立工程には入っていないことが明らかとなっている。この端末は、3月末から部品が生産されているものの、一般的な量産とは一線を画しており、計画的な遅延の可能性が示唆される。背景には、販売予定台数が約20万台と非常に限定的である点があり、この少量生産が量産スケジュールに直接影響していると考えられる。また、展開地域が限られるという情報も、今後の供給体制の柔軟性を持たせる狙いの一因とみられる。
製品自体の革新性は疑いようがないが、その生産戦略はあくまで慎重であり、大量生産を前提としないプレミアムモデルならではの計画ともいえる。仮に限定的な市場投入となった場合でも、技術力の誇示として一定の役割を果たすと期待されるが、実際のユーザー体験や満足度にどのような影響を与えるかは注視が必要だ。
市場見通しと折りたたみ端末の今後の可能性
Galaxy Z Flip FEが90万台、Z Fold7が300万台の販売見込みとされる中、折りたたみスマートフォン市場は引き続き成長軌道にあると予測される。特にFlipシリーズの堅調な需要は、画面サイズやデザインの進化がユーザーの購買意欲を刺激していると分析される。一方で、トライフォールド端末のような実験的なデバイスは、限られた数量と高価格帯での展開により、ニッチ市場をターゲットとする可能性が高い。これは、サムスンが一気に大衆向け展開に踏み切らず、段階的に市場反応を探る慎重な姿勢を示すものと解釈できる。
折りたたみ端末の未来は、技術の進化だけでなく、ソフトウェア最適化や耐久性の向上、価格競争力の強化といった要素が鍵を握ると考えられる。Z Flip7やZ Fold7の量産開始は、そうした課題に対するサムスンのひとつの回答であり、折りたたみ端末の普及に向けた重要な一歩となるだろう。
Source:GSMArena.com