Valveが発表した2025年4月のSteamハードウェア調査において、NVIDIAのGeForce RTX 4060 Laptop GPUが全GPU中で最多の使用率4.99%を記録し、RTX 3060や4060デスクトップ版を上回る結果となった。これは2024年12月の4.19%から継続的に増加してきたものであり、ミドルレンジ帯のノートPC用GPUがゲーミング市場で主流となりつつあることを示唆する。
一方、RTX 4060デスクトップ版も同期間で4.04%から4.77%へと堅実に伸長しており、今後は新登場のRTX 5070および5070 Tiの採用拡大が予測される。最新モデルの普及傾向に加え、ノートPC市場における価格性能比の優位性が、こうした順位の逆転を促した可能性がある。
GeForce RTX 4060 Laptop GPUが首位に躍進した背景と利用動向の変遷

Steamハードウェア調査によると、2025年4月時点でNVIDIAのGeForce RTX 4060 Laptop GPUが全GPU中で最多の4.99%という使用率を記録し、過去数ヶ月にわたり着実にシェアを拡大してきた。2024年12月には4.19%に留まっていたが、2025年2月の一時的な減少を経て、再び右肩上がりの傾向を見せている。これにより、2位のGeForce RTX 3060(4.72%)および3位のRTX 4060デスクトップ版(4.51%)を上回り、モバイルGPUとして異例の地位を築いた。
この数値は、NVIDIAが展開するミドルレンジ帯のラップトップ向けGPUが、ゲーミング用途において価格性能比で高い評価を受けていることを裏付けている。従来、ゲーマーの間ではデスクトップ版GPUの優位性が根強かったが、消費電力と冷却性のバランスが取れたモバイルチップの最適化と、ノートPC市場の高性能化が、こうした潮流を後押しした。
また、Steamユーザーの構成変化も要因として考えられる。携帯性や設置スペースの制約からノートPCを選ぶ層が増加しており、それに対応したGPUの需要が強まっている。今後、モバイルGPUの進化がより顕著になることで、ハイエンドモデル以外では、デスクトップよりもラップトップ型への傾斜が続く可能性がある。
新世代ミドルレンジGPUの登場とユーザー採用の初期傾向
今回の調査では、GeForce RTX 5070およびRTX 5070 Tiが新たにGPUランキングに加わり、それぞれ0.38%、0.28%のシェアを占めたことが確認された。登場直後の数値としては控えめだが、新世代GPUの投入が始まったばかりであり、採用例の増加がこれから本格化すると見られる。これらのGPUは主に次世代ノートPCやミドルレンジデスクトップに搭載される見込みであり、市場動向を占ううえで注視すべき指標である。
GeForce RTX 4060デスクトップ版も安定した成長を続けており、2024年12月の4.04%から2025年4月には4.77%へと拡大している。ラップトップ版に首位の座を明け渡したものの、その普及は依然として堅調である。NVIDIAにとっては、モバイルとデスクトップの両軸でミドルレンジ帯を強化する戦略が功を奏していると評価できる。
一方で、RTX 5070世代の立ち上がりが緩やかであることは、ユーザーの買い替えサイクルや価格面での判断材料が影響していると考えられる。特に、前世代との性能差が限定的である場合、積極的な買い替えには至らない傾向がある。今後は新機種搭載PCの価格帯や性能レビューが、採用動向を大きく左右する局面となるだろう。
Source:TweakTown