AppleのiPhone 16 ProとGoogleのPixel 9 Proは、AI機能が注目を集める現代にあっても、ハードウェアとソフトウェアの完成度で高い評価を受けている。Pixel 9 Proは新デザインと高耐久性、7年間のAndroidアップデート対応を備え、Android離れしていた人に再検討を促す存在となった。

iPhone 16 Proもチタンボディの耐久性や進化したAirDrop、安全機能の充実、柔軟なカスタマイズ性が際立つ。一方、過剰なAI機能が本質を曇らせている現状には課題が残るとの見方がある。

AIブームの影で見落とされるiPhone 16 ProとPixel 9 Proの完成度

AppleのiPhone 16 ProとGoogleのPixel 9 Proは、最新のAI機能が話題をさらう中、デザインや耐久性、ソフトウェアの質で注目される存在だ。Pixel 9 Proは刷新されたデザインと過去最高の耐久性を実現し、7年間のAndroidアップデートが保証されている。Android 14からAndroid 21までの更新対応は、かつてのAndroid端末では考えられなかった進化である。

一方、iPhone 16 Proはチタン製のボディにより耐久性が向上し、iOSの連携機能や安全機能、柔軟なカスタマイズ性が充実。特にAirDropによるデータ共有は直感的かつ高速で、iPhone同士の繋がりを強化している。こうした優れた要素がありながらも、AppleやGoogleは広告や発表会でAI機能を強調し、肝心の本体性能や使いやすさのアピールが影を潜めがちである。この状況は、スマートフォンの本質を見失わせる懸念がある。

AI機能の質と量がスマートフォン体験を左右する現状

スマートフォン市場では、AIの導入が一つの競争軸となりつつある。Google Pixel 9 Proは通話スクリーニング機能など実用的なAIを搭載するが、その一方で画像生成やニュース要約といった未成熟なAI機能も多い。SamsungもGoogleと連携し、Circle to SearchやGeminiの統合などAI機能を強化するが、これが実用性に貢献しているかは意見が分かれる。

AppleもiOS 18でAI搭載を進めるが、AIアシスタントSiriの進化が期待される一方で、現時点では広告の中心を占めるのみで実質的な価値は限定的と見られている。AIの存在感が増すにつれ、本来のハードウェアの魅力やソフトウェアの安定性がかすむ恐れがあると考えられる。これにより、消費者は購入判断の基準を見極める難しさに直面している。

シンプルさと安定性の再評価が進むスマートフォン選び

近年のAndroidとiOSは、カスタマイズや安定性の面で大きな進歩を遂げている。Pixel 9 ProはかつてのAndroidが抱えていた複雑さを取り払い、基本のUIが整理されており、必要に応じてサードパーティ製ランチャーで拡張可能だ。iPhoneもコントロールパネルのカスタマイズ性やウィジェット配置の自由度が向上し、従来の単純なインターフェースから一歩進化している。

さらに、Appleは古い端末にもソフトウェア更新を提供し続けており、最新機種以外の利用者にもメリットがある。こうした背景により、ハードウェアや基本ソフトの完成度そのものに価値を見出す動きが広がりつつあると考えられる。最新のAIトレンドに流されず、本質的な使いやすさを見極めることが、今後のスマートフォン選びの重要な指針となるだろう。

Source:TechRadar