Sparkleは、Intel Arc B580 GPUをベースとした新型グラフィックスカード「B580 Roc Luna」を発表した。神話上の鳥「ロック鳥」にちなんだRocシリーズに属し、OC Ultra仕様として130MHzのクロック向上を実現。ホワイト一色の外観を持つこのモデルは、2基の8ピン電源コネクタを備え、210Wの総消費電力が見込まれている。

映像出力にはDisplayPort 2.1を3系統、HDMI 2.1を1系統採用。従来のArc A770 Rocと同様、最上位ラインとして設計された可能性が高い。価格は未発表だが、300ドル超の水準が見込まれ、GeForce RTX 5060と競合する見通し。

Sparkleはすでに一部Battlemage GPUでオーバークロックモデルを投入しており、同様のアプローチがB580 Roc Lunaにも適用される。12GBのVRAMを備えた仕様が製品差別化の鍵となる可能性がある。

最上位モデルとしての仕様と設計意図

Sparkleの「B580 Roc Luna」は、Arc A770 Rocに続く最上位カテゴリに位置付けられる製品であり、OC Ultra仕様を冠して登場した。ベースクロックより130MHz高い設定が施されており、この数値は約5%の性能向上を意味する。これは、同GPUが既存のArc B580アーキテクチャに準じつつも、チューニング性と安定性においてメーカーの保証付きでパフォーマンスを引き出せる点が大きな特徴である。

さらに、このモデルは2基の8ピン電源コネクタを搭載し、Sparkleは総消費電力を210Wと公称している。出力系統にはDisplayPort 2.1が3基、HDMI 2.1が1基用意され、最新の映像技術への対応も抜かりない。外観面では、同社の「Luna」シリーズの特徴である白一色の筐体を継承しており、ビジュアル面でも市場の関心を集めやすい設計となっている。

本モデルが市場投入された背景には、Sparkleが専用ラインとしてIntel Arc GPU製品の上位展開を強化する狙いがあるとみられる。Battlemage GPUの展開と合わせて、Intel系GPUプラットフォームの高性能帯での存在感を確保する動きの一端と捉えることができる。

競合との位置付けと市場での可能性

Videocardzが伝えるところによれば、Sparkleは「B580 Roc Luna」の価格を未だ公表していないものの、300ドル以上となる可能性が示唆されている。この価格帯にはNVIDIAのGeForce RTX 5060といった有力モデルが存在し、競争環境は決して緩やかではない。ただし、B580 Roc Lunaには12GBのVRAMが搭載されており、メモリ容量において同価格帯の競合製品と差別化される可能性がある。

また、オーバークロックを標準化し、メーカー保証下でパフォーマンスの上乗せを実現している点も、ユーザーにとっては大きな安心材料となり得る。ユーザー自身による調整も可能な中で、あえて公式にOCモデルを用意する意図には、ブランドの信頼性と製品の完成度への自信が表れている。

今後、価格発表とともに実際の市場反応が見られることになるが、白基調のデザインと高仕様を組み合わせたこのモデルは、ゲーミングおよび映像処理用途における新たな選択肢となり得る。ただし、消費電力210Wという仕様が意味する冷却性能やシステム設計面の要件も、導入検討時の重要な評価要素となる。

Source:HotHardware