Nvidiaは、GeForce RTX 5060を2025年5月19日に299ドルで発売すると発表した。GTX 1060やRTX 3060の流れを汲むこの新型GPUは、DLSS 4とマルチフレーム生成技術を採用し、主流のゲーミングPC向けに設計されている。先行して発売されたRTX 5060 Tiと比較し、CUDAコアの増加とGDDR7メモリによる帯域幅の向上が図られた一方、メモリ容量は8GBにとどまり、高解像度ゲームでは制約が残る。

供給量次第では実売価格がMSRPを超過する可能性があるが、過去のxx60シリーズ同様、Steamハードウェア調査における上位シェア獲得も視野に入る。性能以上に、供給戦略と価格維持が今後の普及に決定的な影響を与えることになろう。

RTX 5060の仕様と設計思想 過去シリーズを踏襲しつつも限定的な高解像度対応

Nvidiaが発表したGeForce RTX 5060は、5月19日に299ドルで発売される予定であり、GTX 1060やRTX 3060といった旧シリーズの後継モデルとして位置づけられている。RTX 4060に比べてCUDAコア数が増加し、メモリはGDDR6からGDDR7へと刷新されたことで、帯域幅の大幅な向上が実現された。ただし、搭載メモリ容量は8GBに据え置かれており、1440pや4Kなどの高解像度における一部のゲームタイトルではボトルネックが発生する可能性がある。

このような設計は、主にフルHDでの快適なゲーム体験を重視するミッドレンジ市場を明確にターゲットにしていることを示している。DLSS 4やマルチフレーム生成といった先端技術の導入により、見た目のパフォーマンスは強化されているものの、物理メモリの限界が依然として制約となる。つまり、スペック上の進化はあっても、その恩恵を受けられるプレイ環境には一定の制限が伴う。従来のxx60シリーズと同様に、性能と価格のバランスを重視した製品であり、求められるのは万能性ではなく実用性という立ち位置である。

需要と供給のバランスが鍵となる市場定着 Steam上位常連モデルの後継としての期待

RTX 5060は、価格帯こそ手頃であるものの、現時点で販売されている他モデル同様、市場での実売価格がMSRPを大きく上回る状況が予想される。既にRTX 5060 Tiモデルでは、希望小売価格から50〜100ドル上乗せされた価格で取引されている事例もあり、供給不足が常態化している。NvidiaおよびAIBパートナーによる十分な供給体制が確立されなければ、本モデルも同様の価格上昇リスクを抱えることになる。

Steamハードウェア調査において、RTX 3060、4060、2060といったxx60シリーズが上位を占めている事実は、これらが主流層において高い採用率を持つことを示している。RTX 5060も供給が安定し、実売価格が抑制されれば、早期に上位にランクインする可能性があるが、それはあくまで製品の可用性と価格維持が達成された場合に限られる。したがって、技術仕様のみならず、市場流通戦略が製品の普及と評価に与える影響は無視できない状況にある。

Source:Ars Technica