Nvidiaの新型GPU「RTX 5060」が5月19日に299ドルで登場すると見られる中、その性能への疑問が急浮上している。小売大手Best BuyがPNY製モデルを事前掲載したことで発売間近と推測されるが、8GBのビデオメモリ構成が業界とユーザーの広範な懸念を招いている。特にAI「Grok」による「銃撃戦にバターナイフ」との表現が象徴するように、8GBでは現代の高解像度ゲームに対応しきれないとの評価が拡散している。
この反応は単なるAIの意見ではなく、SNSや掲示板上の集合的な空気感を反映するものであり、過去に批判を受けた同容量のRTX 5060 Tiと同様の問題が再燃する可能性が高い。仮に同価格帯の他製品との比較において価格競争力があるとしても、将来的なゲーム要求の高まりを踏まえた際の「性能持続性」に不安が残る構成といえる。
RTX 5060の小売掲載が示唆する発売時期と価格設定の実態

PNY製のGeForce RTX 5060が米小売大手Best Buyのオンラインリストに登場し、Nvidiaの新型GPUが5月19日に発売されるとの観測が強まっている。価格は299ドルとされ、現行のRTX 40シリーズの下位モデルよりもやや高めの水準である。
Best Buyの商品ページには「購入」ボタンこそ存在しないが、「入荷時に通知」オプションが用意されており、発売準備段階に入っていると解釈されている。また、今回のリストはX(旧Twitter)上で@momomo_usが最初に確認し、VideoCardzが報じたことからも、信憑性がある程度担保された情報といえる。
このタイミングでの掲載は、通常行われる出荷・物流準備と照らし合わせても自然な流れと見られ、Nvidiaによる公式発表が近い可能性がある。ただし現時点では、このPNY製品が唯一のリストであり、各パートナー企業が同時展開するかは不明である。価格に関しては、エントリーモデルとしてはやや強気との印象を受けるが、近年のGPU市場における製造コストや競合製品とのバランスを考慮すれば、一定の合理性を見出すことも可能である。今後の発表で、同価格帯の競合製品との差別化戦略が問われることになる。
Grokによる8GB VRAM批判が象徴するユーザー層の性能要求の変化
AIチャット「Grok」が指摘した「2025年に8GBのVRAMは銃撃戦にバターナイフで挑むようなもの」という表現が、RTX 5060に対する市場の懸念を一気に可視化させた。これは単なる比喩ではなく、高解像度環境やレイトレーシング対応ゲームを前提とした現代のゲーミング事情に照らせば、技術的な限界を的確に突いた批判である。
特にRTX 5060 Tiの8GBモデルが、同一アーキテクチャの16GBモデルに比べて著しく劣るとの検証結果が示されたこともあり、同容量を持つRTX 5060が類似の課題を抱えるとの懸念は現実味を帯びている。
VRAM容量がゲーム体験に直結するとの理解は近年ますます強まっており、8GBという数値は一部ユーザーにとって「将来性に乏しい」という認識を形成している。Grokの意見は、XやRedditなどの大規模コミュニティの投稿を集約して生成されたものであり、単なるAIの主張ではなくネット世論の縮図としての意味合いが強い。Nvidiaが過去モデルのように8GB構成の立ち位置を明示的に再定義しない限り、本製品に対する不安感は解消されにくい構造となっている。
中価格帯GPUにおける8GB構成の終焉とAMDの動向への注目
RTX 5060が8GBのVRAMを採用したことで、今後の中価格帯GPU市場におけるメモリ構成の在り方が再び問われている。特に注目すべきは、競合するAMDの対応である。報道では、AMDも同様に8GB構成のRX 9060 XTを投入する可能性があるとされており、両社の選択が市場に与える影響は小さくない。ユーザーの側では、VRAM不足による将来的な性能劣化への懸念が根強く、製品の寿命やコストパフォーマンスに対する期待値が高まるなか、8GBという構成は逆風を受ける可能性がある。
これまで中価格帯GPUは、性能と価格のバランスを重視する層にとって有力な選択肢であったが、AAAタイトルの進化により、その「バランス」が崩れつつある。仮に今後、8GB構成の製品が繰り返し不評を買うようであれば、メーカー側は徐々に12GB以上へのシフトを強いられることになるかもしれない。
現時点では、AMDが実際に8GBモデルを市場投入するか否かは不確定であり、Nvidia同様に「目立たない形で流通させる」方針を取る可能性も示唆されている。市場の反応次第では、2025年以降、8GB構成が主流から退く展開も排除できない情勢にある。
Source:TechRadar