Googleは2025年5月、Pixel 6以降のAndroid 15対応デバイス向けに最新ソフトウェアアップデートの提供を開始した。今回のアップデートでは、マイク録音の品質低下問題、スマートウォッチとのBluetoothペアリング不具合、クイック設定における第二言語表示の修正が盛り込まれている。またPixel 6およびPixel 8シリーズは、ブートローダーのアンチロールバックバージョンが更新されることで、古いAndroid 15ビルドへのロールバックが不可能になるという制限も加わった。
アップデートは段階的に展開されており、対象機種にはPixel 9 Pro Foldを含む最新モデルも含まれる。今回の内容はセキュリティ強化だけでなく実用性の向上も図られており、今後のアップデートでも同様の安定性改善が重視されると考えられる。
Pixel 5月アップデートの対象機種と配信スケジュール

2025年5月のPixelアップデートは、Android 15を搭載するPixel 6以降の全モデルが対象となっている。Pixel 9 Pro FoldやPixel 8aを含む最新機種に加え、Pixel TabletやPixel Foldといったタブレット型デバイスも網羅されているのが特徴だ。Googleは段階的な配信を実施しており、グローバル版だけでなく、台湾やEMEA版、さらにはVerizonやDeutsche Telekom版のPixel 9シリーズにも配信が行われる。今回のスケジュールは、配信開始から約1週間を目途に完了予定とされ、アップデートがまだ表示されていない場合も焦る必要はないとされている。
このような広範囲の対応は、Googleのアップデートポリシーが一貫していることを示すと同時に、Android 15の安定化に向けた取り組みの一環といえる。ただし、モデルによる配信タイミングの差は過去にも見られており、今後も一定のラグは続くと考えられる。特にPixel 9 Pro Foldなど最新モデルは複数キャリア版が存在するため、アップデート完了までの動向は注視しておきたい。
マイク録音とBluetoothの修正内容
今回のアップデートで注目すべきは、3つの実用的な修正が含まれている点だ。特に、特定のアプリで報告されていたマイク録音品質の低下は、音声メモや動画撮影時に影響が出ていた問題であり、この不具合の解消は利便性を大きく向上させる。さらに、Bluetooth経由でのスマートウォッチ接続に関する不具合も修正され、特定条件下で接続が不安定になる現象が是正された。加えて、クイック設定メニューで第二言語が正しく表示されない問題も解決されている。
これらの修正は一見マイナーに思えるものの、日常の使用環境においてはストレス要因となり得る課題であった。Googleが定期的なアップデートでこれら細部にわたる不具合を拾い上げている姿勢は、長期的な製品満足度維持に直結すると見られる。今後もユーザー体験を左右する細かい改善が続けられる可能性が高い。
Pixel 6とPixel 8シリーズのブートローダー仕様変更
Pixel 6およびPixel 8シリーズに関しては、2025年5月アップデートによりブートローダーのアンチロールバックバージョンが引き上げられることが発表された。これにより、アップデート後はAndroid 15の旧ビルドをフラッシュして起動することができなくなり、脆弱性のあるバージョンへのダウングレードが実質的に封じられる。対象はPixel 6、6 Pro、6aおよびPixel 8、8 Pro、8aとされ、セキュリティ面での強化が図られている。
この仕様変更は、ブートローダーの安全性向上という観点では歓迎されるが、一方でカスタムROMの導入や過去バージョンへの復帰を試みる利用者にとっては柔軟性の低下を意味する。公式アップデート以外の手法で端末を利用している場合、慎重な判断が求められる局面といえる。Googleのセキュリティ重視の姿勢が反映された結果であり、今後もこうした動きが続くと考えられる。
Source:Android Authority