Google I/O 2025が5月20日に開幕を控える中、Android 16のデザイン刷新が「Material 3 Expressive」として注目されている。これは誤って公開された公式ブログから判明したもので、過去3年間にわたる46回の調査と注視点追跡を経て開発。従来のMaterial DesignとMaterial Youを進化させ、ダイナミックで視覚的に大胆な配色と形状が特徴となる。

UIの改善は単なる見た目だけでなく、ボタンサイズやレイアウトも見直され、直感的な操作性が追求されている。特にPixel 10をはじめとする新端末への標準適用が予定されており、Androidの使い勝手が大きく変わる可能性がある。

Android 16の目玉となるMaterial 3 Expressiveが示す新デザインの全容

Android 16では「Material 3 Expressive」と呼ばれる新たなデザイン指針が採用されることが、Googleの誤公開ブログによって明らかになった。これは2014年のMaterial Design、2021年のMaterial Youに続く進化版であり、過去3年間に46回の調査やフォーカスグループを通じて開発されたものである。視線追跡テストなどを重ね、ユーザーがアプリ内でどれだけ効率的に操作できるかを徹底的に検証したことが特徴だ。特に画面下部に配置されたピル型のフローティングツールバーや、視認性を重視した大型ボタンなどが象徴的で、メールアプリの「送信」ボタンは従来よりも4倍速く発見できると説明されている。これにより、iOSとの差別化も強調され、より直感的で動きのあるインターフェースが提供される見込みだ。

Googleはこうした刷新により、スマートフォンのUIが単調になることを防ぎ、視覚的に豊かでダイナミックな体験を提供しようとしている。ただ、見た目の革新が使いやすさと直結するとは限らず、Material 3 Expressiveの真価は今後の実機体験で見極める必要があると考えられる。Pixel 10シリーズへの標準搭載が予定されており、この新デザインが他メーカーにどの程度波及するかも注目されるポイントだ。

Pixel 10とI/O 2025がカギを握るAndroid進化の行方

Android 16は今夏に登場予定で、Pixel 10の発売前に正式発表される流れが見込まれている。5月20日に開幕するGoogle I/O 2025は、AIの進化が中心テーマになるものの、Android 16の新機能も基調講演で取り上げられる予定とされる。今回のデザイン刷新は、新端末とともに体験することを前提としており、特にPixelシリーズが最初にこの恩恵を受けることが強調されている。Googleの公式アプリ群にはすでにMaterial 3 Expressiveの適用が進んでおり、GmailやYouTubeなどのUIが刷新される見込みである。

こうした動きは、長らく大きな変化が見られなかったAndroidのデザイン面で新たな時代の到来を示唆している。ただし、デザイン重視がハードウェア性能や安定性とどうバランスを取るかが課題として残る。さらに、サードパーティ開発者や他のAndroidメーカーが新指針を採用するかは未知数で、今後の普及速度には慎重な見方も必要となる。Googleが示すビジョンは革新的だが、実際の受け入れられ方は今後の展開次第と言えるだろう。

Source:BGR