著名トレーダーのウィリー・ウーは、今後15年以内にビットコインの市場支配率が90%を超える可能性があると述べた。これは2022年に45%だった支配率が2024年には65%を突破した現状を踏まえた長期的見解であり、アルトコインからBTCへの資金集中が背景にあると見られる。
一方、Coinbaseには今朝だけで5,195BTCが複数回に分けて送金されており、うち1件はCumberlandからのものであることが判明。総額4億8,720万ドルに上るこれらの動きは、機関投資家による売却準備と推測される。オンチェーン分析でもCoinbaseのビットコイン価格は他所より割安となっており、市場における短期的な売り圧力の兆候として注目されている。
ウィリー・ウーが描く15年後のビットコイン市場支配率90%超の構図

ビットコインが暗号資産市場で再び圧倒的な存在感を取り戻しつつある。著名トレーダーのウィリー・ウーは、X上で「今後15年以内にビットコインの市場支配率が90%を超える」との見解を示した。これは単なる希望的観測ではなく、既に市場では現実味を帯び始めている。2022年に45%だったビットコインの支配率は、2024年には65.03%へと上昇し、明確なトレンドの転換が観測されている。ウーはこの流れを「一般的なトレンド」と表現し、アルトコインの立ち位置が相対的に弱まっている現状を象徴している。
この構図の背景には、ETF承認による資金流入や機関投資家による信頼の回復があると考えられる。特に、ビットコインが「デジタルゴールド」として再定義される中で、ボラティリティの高さにもかかわらず保有意欲が高まっていることが、支配率上昇の根拠となる。ただし、将来的な90%超の達成には、規制動向や技術革新といった不確実性も多く、支配率がそのまま投資リターンにつながるわけではない点に留意が必要である。
Coinbaseに流入した5,195BTCが意味するものとは何か
Whale Alertによると、米大手取引所Coinbaseに今朝、大口のビットコインが3件に分けて送金された。総額は5,195BTC、評価額にして約4億8,720万ドルに上る。これらのトランザクションのうち1件は、流動性供給企業Cumberlandからと判明しており、すべてが「Coinbase Institutional」宛であったことから、個人投資家ではなく機関による動きと推察される。さらに、オンチェーン分析会社CryptoQuantは、CoinbaseでのBTCプレミアムが大きく低下していると指摘しており、これは潜在的な売却圧力の表れとされる。
このような動きが意味するのは、単なるポジション調整ではなく、機関投資家による戦略的な出口の準備である可能性があるという点である。ビットコインの価格が堅調に推移するなかで利確タイミングを探る動きが強まっており、今後の価格動向に対する市場のセンチメントが変化する兆しと捉えることもできる。支配率の上昇と売却の動きが同時に起きている今、相場の裏側には短期と長期の思惑が交錯している構図が見て取れる。
Source:Investing.com