ディズニーは5月7日、アラブ首長国連邦アブダビへの新たなテーマパーク建設計画を発表し、株価は当日だけで10%以上急騰した。ボブ・アイガーCEOは同地を「世界の交差点」と位置づけ、周辺の裕福な人口層と空港アクセスの利便性が成功の鍵になると説明。

これにより同社株は4月初旬から累計25%上昇している。さらにDisney+の予想を超える加入者増加も報告され、ウォール街では同社の成長ポテンシャルを評価する声が強まっている。アナリストはディズニー株に対し「強い買い」を継続しており、目標株価は現水準から最大25%の上昇余地があるとの見方もある。

アブダビ新テーマパーク計画がもたらす市場の即時反応と成長期待

2025年5月7日、ウォルト・ディズニー(DIS)がアラブ首長国連邦アブダビに新たなディズニーランドを建設する計画を発表したことで、株価は当日10%以上急騰し、短期的な市場の反応として極めて強い好感が示された。CEOのボブ・アイガー氏は、アブダビを「世界の交差点」と称し、2つの主要空港に近い戦略的立地と、5億人規模と見積もる富裕層人口への接近が需要喚起につながると説明した。これにより、同社株は4月初旬の安値から約25%も上昇しており、市場は中東進出の成長余地に強い関心を寄せている。

ディズニーは過去にもテーマパークの新設によってブランド認知と売上を大幅に拡大してきた歴史を持つ。今回のアブダビ計画は、既存の欧米市場を超えて未開拓の成長地域にリーチを広げるものであり、単なる施設拡張以上の戦略的意味を持つと評価されている。ただし、新興地域特有の政治的・経済的リスクも内在しており、長期的な収益貢献は慎重な観察が必要である。今回の株価反応は期待先行の側面が強く、実際の業績インパクトが確認されるまでには時間を要する可能性がある。

ストリーミング事業の堅調な拡大とアナリストの強気見解

ディズニーは新規テーマパーク計画に加え、2024年度第2四半期のDisney+の加入者数が140万人増加したと発表しており、これは市場の予測を上回る結果である。ストリーミング市場では競争が激化する中、同社は継続的なコンテンツ強化とブランド力により視聴者層を広げており、既存の映像資産を軸とした高効率な成長モデルを実現している。今後も緩やかな加入者増加が見込まれており、成長基盤としてのストリーミング事業の重要性は増している。

シティのアナリストであるジェイソン・バジネット氏は、ディズニー株の「買い」評価を再確認し、目標株価を125ドルと設定。これは現行価格から約25%の上昇余地を示唆するものである。彼は、同社がコンテンツライブラリを拡充し続けることで、有料テレビの代替としての地位を確立し、2025年後半には株価が一段と上昇すると予測している。とはいえ、競合との価格競争や制作費の高騰が今後の収益性に影響を与えるリスクも指摘されており、成長維持には一層の資源配分戦略が問われる局面にある。

Source:Barchart.com