マイクロソフトがWindows 11において、検索機能とMicrosoftストアの統合を試験的に進めていることが明らかになった。従来は検索結果から直接アプリをダウンロードすることは不可能だったが、新たな仕様ではアプリ名と説明、アイコンが表示され、「入手」ボタンで即インストールが可能となる設計が試されている。

具体例としては、PC未インストール状態のGrammarlyを検索した際、検索インターフェース内からそのままインストール操作ができる仕様が確認されており、アプリ入手の手間を大幅に簡素化する狙いが見て取れる。一方で、検索結果がローカルファイルではなく不要なアプリで埋まる懸念も指摘されており、検索体験の最適化が今後の焦点となる。

EU市場では現時点で導入が見送られる見込みで、対象地域は段階的に拡大される可能性があるとみられる。

Windows検索とストア統合の仕組み 「入手」ボタンで即インストールが可能に

マイクロソフトがテスト中の新機能は、Windows 11の検索インターフェースとMicrosoftストアを直接結び付ける内容である。これまで検索機能はインストール済みアプリやファイル、OneDrive内のデータ、さらにはBing検索の結果を返すだけだったが、今回の試みではアプリが未インストールの場合でも検索結果にその情報が表示され、「入手」ボタンが右側に現れる設計が試されている。スクリーンショットでは、例えばGrammarlyなどのアプリが見つかると、その場でダウンロードとインストールが開始できる動作が確認されている。

この改良は、従来の検索プロセスに比べてインストールの手間を大きく省くことを狙っており、検索から即座にアプリ入手までを一気通貫で完結できるのが特徴だ。ただし、現時点でMicrosoftがこの機能の正式リリース時期を発表していないことから、まだ開発中の段階であることは間違いない。地域ごとの展開状況も注視が必要で、特にEU圏では現時点で導入の見込みが薄いとされている。

検索体験への影響と懸念 乱雑化リスクと最適化の課題

検索とストア統合の便利さが期待される一方で、懸念点も浮上している。Windows検索はもともとローカルファイルやアプリを見つけるためのツールだが、今回の仕様変更により、キーワード検索時にストア内のアプリが優先表示されるケースが想定されている。たとえば、ドキュメントや写真を探している際に、類似の名称を持つサードパーティアプリが検索結果上位に現れると、目的の結果が埋もれるリスクが出てくる。

このため、検索の最適化は極めて重要な要素であり、Microsoftが認証済みアプリだけを表示する制御機能や、検索結果のフィルター設定などを用意する必要性があると考えられる。また、こうした仕様が強制適用されるのではなく、ユーザーが検索設定で無効化できるオプションが設けられるかどうかも注目点だ。利便性と混乱防止のバランスが今後のカギを握るだろう。

Source:Windows Latest