Intelは、台北で開催されるComputex 2025において、AI機能を統合した新型GPU「Arc Pro Battlemage」の発表を予告した。X(旧Twitter)上に投稿されたティーザーには「Pro + AI Multiple Computex」の文字が含まれ、かねてより噂されていた24GB VRAM搭載モデルの登場を連想させる内容となっている。これまでBattlemageはコンシューマ市場向けに限定されてきたが、AI需要の高まりを背景に、ワークステーション用途への拡張が本格化する可能性が指摘されている。

現行のArc B580やB570は最大12GBのGDDR6メモリを搭載する一方、今回の新型Proバージョンは倍以上のメモリ容量により、生成AIや映像処理などの業務用途を強く意識した設計となる見通しである。正式な仕様や発売時期は不明ながら、Computexでの全貌公開が期待される中、IntelのGPU戦略が再び注目を集めている。

AI搭載を示唆するArc Pro Battlemageの登場予告とComputexにおける展望

Intelは2025年5月に台北で開催されるComputexに向けて、新たな「Arc Pro Battlemage GPU」の存在を公式Xアカウントで示唆した。投稿では「Pro + AI Multiple Computex Intel Arc」と記された画像が公開されており、GPUにAI処理機能が統合される可能性を強く印象づける内容となった。

これまでArc Battlemageはゲーミングセグメントに位置づけられており、B580およびB570といった製品がそれを構成してきたが、今回は「Pro」バージョンとしてワークステーション向けへの展開が予告されている。

現時点でIntelは詳細仕様や価格、発売時期を明らかにしていないものの、複数のメディアは24GBのVRAMを搭載したモデルの登場を見込んでおり、これは前世代のArc Proシリーズを大きく上回る容量である。従来のPro A60やA50などは最大でも12GBにとどまっていたが、AI処理需要の高まりを背景に、より大容量のメモリと計算能力が求められる市場環境に対応する必要性が浮き彫りとなっている。仮に今回の新型GPUがAI処理に特化した設計であれば、NVIDIAやAMDとの競争における立ち位置の変化をもたらす契機となる可能性がある。

コンシューマ向けからプロフェッショナル用途へ拡張するBattlemageの戦略的転換

Arc Battlemageシリーズは、これまで主にゲーマー層をターゲットとしてきた。代表例としてB580は20の実行ユニットと2,560のシェーディングユニットを搭載し、12GBのGDDR6メモリを用いて456GB/sの帯域幅を実現している。B570も10GBのメモリを備え、性能面では中上位のゲームユーザーを意識した構成であった。こうした設計思想の延長線上に、今回のProバージョンが位置づけられているとは考えにくく、用途の再定義がなされたと見るのが妥当である。

Proモデルの開発背景としては、AIトレーニングや大規模データ処理を前提とした新たなニーズへの対応が挙げられる。24GBのVRAMを搭載したGPUは、機械学習、コンテンツ生成、シミュレーション処理といった分野において一定の競争力を有する構成である。

過去のAlchemist世代では、その性能がプロフェッショナル用途には限定的であったが、Battlemageにおける技術的飛躍があれば、GPU市場におけるIntelのプレゼンス向上にもつながる可能性がある。従来のArcシリーズでは実現できなかった用途展開が、今回の新製品により本格化するか否かが注視される。

Source:HotHardware