サムスンが2025年後半に発表予定とされるトライフォールド型Galaxyスマートフォンに、同社初のシリコンカーボンバッテリーが搭載されるとのリークが話題となっている。従来のグラファイトアノードではなくシリコンアノードを採用することで高密度化を実現し、薄型設計を可能にする技術とされる。
サムスンが試みるトライフォールドとシリコンカーボンバッテリーの融合

サムスンは2025年後半の発表を目指し、トライフォールド型スマートフォンにシリコンカーボンバッテリーを採用する計画を進めているとされる。これまでGalaxy S26シリーズでの実装が示唆されていた同技術が、今回のプロトタイプで先行投入される見通しとなった。バッテリーはエネルギー密度の向上が特徴で、従来のグラファイトアノードに比べ約10~20%の容量向上が見込まれている。サムスンはこの進化によって端末の厚みを抑え、約5,000mAhクラスの容量を維持しながらも、デバイス全体をスリム化する狙いを持つ。
一方で、vivoやXiaomiが6,500mAhから7,000mAhクラスの大容量バッテリーを投入する中、サムスンの姿勢は異なる。バッテリー持続時間よりも携帯性やデザイン性を重視する路線が見て取れるが、Huawei Mate XTなど競合機が市場にすでに投入されており、三つ折り市場は激化しつつある。今回のリークはプロトタイプ段階の情報であり、最終仕様は未確定だが、薄型設計と新技術の組み合わせが注目を集めている。
シリコンカーボン技術の可能性と折りたたみ市場での戦略的意味
シリコンカーボンバッテリーは、これまで課題とされてきた膨張や耐久性の問題を改良する目的で進化してきた。従来型のリチウムイオンバッテリーに比べ、高エネルギー密度を誇り、限られたスペースでも十分な電力量を確保できるのが最大の利点とされる。サムスンがこの技術を初投入するGalaxy Tri-Foldは、Z Fold 6やZ Fold 7の4,400mAhクラスと比較しても、同等もしくは若干の向上を目指す構造になるとみられる。
ただし、今回のトライフォールドは長時間駆動よりも携帯性に重点が置かれ、厚みを削減することが優先課題とされる。シリコンカーボン採用が事実であれば、今後のGalaxy SシリーズやZ Foldシリーズにも順次採用が広がる可能性は高いと考えられるが、量産性やコストの課題が残る点は見逃せない。三つ折りスマホ市場ではすでに中国メーカーが先行しており、サムスンが次の一手でどこまで差別化を図れるかが問われる局面である。
Source:Gizmochina