Pixel 9およびPixel 9 Proの利用者から、撮影後の写真が実物とかけ離れた色合いになる問題が報告されている。Googleの画像処理アルゴリズムが過剰に働き、鮮やかなオレンジが深い赤に変わるなど、現実の色再現が大きく損なわれているケースが目立つ。
Redditでは「Ultra HDR」などの設定変更でも解決できないとの声が相次ぎ、恒久的な対処策がない現状に不満が高まっている。2025年5月のセキュリティパッチにはカメラ修正は含まれておらず、Googleが今後どのような改善策を示すかが注視される。
Pixel 9で発生中の色再現問題 現場から寄せられる具体的な声

Google Pixel 9およびPixel 9 Proで撮影した写真において、現実の色と大きく異なる発色になる問題がReddit上で数多く報告されている。特に象徴的なのは、あるPixel 9 Proユーザーが投稿したフォード・マスタング・シェルビーの例で、本来は鮮やかなオレンジの車体がGoogleの画像処理後には濃い赤色に変わってしまう現象だ。さらに別の利用者からは、夕焼けの写真が自然な赤ではなく黄みがかるといった指摘も出ており、彩度やコントラストが過剰になる傾向が浮き彫りになっている。
「Ultra HDR」や「写真のリッチカラー」などの設定をオフにしてもこの問題は解消されず、現時点で恒久的な解決策は確認されていない。5月のセキュリティパッチではカメラ関連の修正は含まれなかったことも、利用者の不満を加速させている。今回の事例は、Googleが誇るAI処理の限界と課題を露呈したものといえる。
処理の透明性と制御の欠如 写真体験に求められる改善点
Googleの画像処理は長年高評価を受けてきたが、今回のPixel 9の事例では、その自動最適化機能がむしろ仇となっている印象が強い。多くの投稿で共通しているのは「何を設定しても完全に処理をオフにできない」という不満であり、「Top Shot」を有効にすることで若干問題が緩和されるものの、根本解決には程遠い。Android Centralの記事では、今後Googleがユーザーに対して、ファインダーで見える画像が最終的にどう変わるかを明確に示す機能や、最終的な処理後画像に対する完全なコントロール権を提供する必要があると指摘している。
特にPixelシリーズは“撮ったままの美しさ”を売りにしてきた経緯があるだけに、ソフトウェアが意図せぬ改変を行うことは信頼性にも影響を及ぼしかねない。今後のアップデートで透明性の向上とユーザーコントロールの強化が求められることは間違いない。
Source:Android Central