OnePlusの最新モデル「13T」が、バッテリーテストにおいてiPhone 16 Pro MaxやGalaxy S25 Ultra、Xiaomi 15 Proなどの主要フラッグシップを抑えて最長の持続時間を記録した。搭載する6,260mAhのシリコンカーボンバッテリーが、次点のXiaomi 15 Proより32分も長い動作を可能にしたことが明らかになった。

Snapdragon 8 Elite、A18 Pro、Tensor G4など異なるチップセットを搭載した6機種で比較された本テストでは、Pixel 9 Pro XLが最初にシャットダウンし、S25 Ultraも意外にも早い段階で電源が落ちた。

OnePlus 13Tがバッテリー持続時間で他のフラッグシップを圧倒した理由

OnePlus 13Tは、6,260mAhのシリコンカーボンバッテリーを搭載し、バッテリーテストで主要なハイエンド機種を上回る耐久時間を記録した。比較対象となったのは、Galaxy S25 Ultra（5,000mAh）、iPhone 16 Pro Max（4,685mAh）、Xiaomi 15 Pro（6,100mAh）、Pixel 9 Pro XL（5,060mAh）、そしてOnePlus 13（6,000mAh）である。中でもPixelは最初にシャットダウンし、次いでS25 Ultraが終了。最も長く動作し続けたのが13Tであり、Xiaomi 15 Proよりも32分長く稼働した。

この結果は、単純なバッテリー容量だけでなく、チップセットや放熱設計、OSレベルの電力管理といった総合的な設計力の差を反映している。13TはSnapdragon 8 Eliteを搭載しているが、同チップを採用する他機種よりも高い効率を見せており、デバイス全体の最適化が進んでいることを示唆する。

一方、AppleやGoogleの独自チップを搭載するiPhone 16 Pro MaxやPixel 9 Pro XLは、電力効率では強みを見せるはずの分野でも結果を出せなかった。特にPixelは発熱量も大きく、バッテリー消耗を早めた要因と考えられる。環境条件やUIの負荷も加味すると、OnePlus 13Tの優位性は単なるバッテリー容量だけに留まらない。

シリコンカーボン電池の採用がもたらす次世代スマホの方向性

OnePlus 13Tに採用されたシリコンカーボンバッテリーは、これまでコンパクト機種では実現が難しかった6,000mAh超の容量を可能にしている。従来のグラファイト系セルに比べてエネルギー密度が高く、限られた内部スペースでも長時間駆動が実現できる点が最大の特長である。今回のバッテリーテストでは、その技術的優位が明確に反映された。

この技術の広がりによって、薄型軽量かつ大容量バッテリーを求める端末設計に新たな可能性が開ける。大画面や高リフレッシュレートを備える端末でも、持続時間を犠牲にせずに設計できるため、今後のハイエンド機全体に波及する可能性がある。また、バッテリーサイズの制限が減ることで冷却系やスピーカー配置など、筐体内部の設計にも柔軟性が生まれる。

一方で、13Tのような先行例が高い評価を受ければ、他社も急速に追随することは避けられない。ただし、Si/C電池はコストや安全性、充電制御の難易度といった課題も併せ持っており、商用化の拡大には一定の時間がかかる見込みである。今回の結果がその導入促進の一助となる可能性は高いが、全体の転換には業界全体の成熟が求められる。

フラッグシップ機の最適化競争が加速する中で浮き彫りとなった差

今回のテストに参加した6機種はすべてハイエンド帯に属するが、バッテリー持続時間には大きな差が生じた。Pixel 9 Pro XLは動作温度が最も高く、13Tと比べて電力効率に大きな開きがある。これはGoogleのTensor G4チップと実装された熱処理設計、ソフトウェア側の電力管理のバランスに課題があることを示す。また、Galaxy S25 UltraはSnapdragon 8 Eliteを搭載しながらも、OnePlus 13より14分も早く終了しており、チップ単体ではパフォーマンスを語れないことを改めて浮き彫りにした。

iPhone 16 Pro MaxはAndroid勢に劣らぬ健闘を見せたものの、A18 Proの電力効率だけでは最後まで持ちこたえるには至らなかった。このことは、バッテリー容量そのものの差や、iOS側のバックグラウンド処理との兼ね合いによって持続時間に差が出ていることを示す。

こうした差異は今後のフラッグシップ市場において、単にSoCやRAMといったスペックだけでは語れない最適化力の競争が加速していることを意味する。OnePlus 13Tの成果は、見えにくい部分への技術投資が着実に差を生むという、次世代設計における重要な示唆を含んでいる。

Source：Gizmochina