Vivoが中国市場に向けて準備中のS30シリーズに関し、著名リーカーDigital Chat Stationが詳細を公開した。注目のS30 Pro Miniは、6.31インチOLEDディスプレイと6,500mAhバッテリーを搭載し、チップセットには未発表のMediaTek Dimensity 9400eが採用される可能性がある。また、50MPペリスコープ望遠カメラにはSony IMX882センサーを用いるとされ、ハイエンド仕様を小型筐体に凝縮する設計が際立つ。
S30 Pro Miniは金属フレームやX軸リニアモーターも搭載するほか、リアカメラ構成はトリプル仕様が想定されており、インド市場では「Vivo X200 FE」としての展開も検討されている。一方で標準モデルS30は、Snapdragon 7 Gen 3に相当するSM7550チップが搭載される可能性も報じられたが、現時点では未確定である。シリーズ全体として、カラーは4色展開となる見込みだ。
MediaTek Dimensity 9400eとSony IMX882採用で小型モデルにおける性能競争が加速

Vivo S30 Pro Miniに関するリーク情報によれば、同モデルには未発表のMediaTek Dimensity 9400eチップが搭載される見通しであり、2024年5月発表のDimensity 9300+の改良版とされる。これにより、小型端末でありながら上位クラスの処理性能を実現する構成が想定される。
また、カメラ構成には、ペリスコープ型望遠レンズとSony製IMX882センサーによる50メガピクセル撮像素子を組み合わせた高性能光学設計が導入されると報じられており、撮影機能の強化が明確である。さらに、筐体には金属製のミドルフレームが採用され、剛性の向上や放熱面での利点も見込まれる。
こうした仕様群は、単なる派生モデルではなく、S30 Pro Miniが明確に差別化されたポジションを担っていることを示している。特に6.31インチというサイズ感は、取り回しの良さとパフォーマンスの両立を目指す層に対して訴求力を持つだろう。ハードウェア構成だけでなく、X軸リニアモーターによる操作応答性の強化もなされており、ユーザー体験全体を底上げする意図がうかがえる。コンパクトモデルへの高機能実装が進む中、競合メーカーも今後この分野において同様の動きを見せる可能性がある。
S30シリーズにおける差異化戦略とリブランド展開の狙い
S30 Pro Miniの仕様が明らかになる一方で、標準モデルであるVivo S30にはSnapdragon 7 Gen 3に該当するQualcomm SM7550が採用される可能性が指摘されている。ただし、現時点でSoCに関する公式な確認はされておらず、構成に関する不確定要素も残る。両モデルは同様のペリスコープ望遠カメラと金属製ミドルフレームを備えるとされているが、ディスプレイサイズと処理性能の違いが棲み分けの鍵となる。なお、バッテリー容量については両機に共通して6,500mAhが搭載されると報じられている点が注目される。
VivoはこのS30 Pro Miniを、インド市場では「Vivo X200 FE」として投入する可能性も示唆されており、グローバル戦略上のブランディング再構築が進んでいる。これは、中国市場向けのラインアップを他市場に適応させる手法として近年多くの中国メーカーが採っている展開モデルである。名称変更によって製品の印象や競合との直接的な差異を調整し、市場ごとのブランド戦略を最適化する意図が見て取れる。端末のカラーバリエーションもブルー、ゴールド、ピンク、ブラックの4色を揃え、幅広い消費者層に対して感性面での訴求を狙っていると考えられる。
今後、実際の発表内容およびグローバル展開の詳細が明らかになれば、S30シリーズ全体の市場でのポジショニングがより鮮明になるだろう。Vivoが中上位セグメントにおいて、プレミアム志向とコンパクト設計を両立させた新戦略を提示する兆しとして注視すべき動きである。
Source:Gizmochina