MicrosoftはSnapdragon X Plusを搭載した新型Surface Pro 12インチとSurface Laptop 13インチを発表し、Copilot+対応を含むWindows 11のAI機能拡張も併せて公開した。ファンレス設計や90Hzディスプレイを備えたSurface Proは軽量性と性能の両立が期待される一方、従来モデルの販売終了に一部批判も出ている。
同時期には、ASUSとの共同開発とみられるXbox携帯型ゲーム機「Project Kennan」の存在がFCC申請で判明し、Windows 11搭載機として注目を集める。またPalworldは、任天堂との法的対立によりアニメーションや滑空機能の削除を余儀なくされ、今後も変更が続く可能性があると見られている。
Snapdragon X Plusを搭載したSurface新モデルが示すモバイルPCの進化

Microsoftが発表したSurface Pro 12インチおよびSurface Laptop 13インチは、どちらもSnapdragon X Plusプロセッサを搭載し、軽量設計と高性能の両立を図る構成となっている。特にSurface Proは、7.8mmの薄型筐体や90Hzディスプレイ、ファンレス仕様といった仕様が際立ち、同社が目指す次世代2-in-1 PCの方向性を端的に示している。
編集部の初期レビューでも、プロセッサの性能に対する高評価が言及されている一方で、長期的な使用における安定性やファン搭載モデルとの性能比較については今後の検証が求められる状況である。
また、今回の発表に伴い、旧モデルとなるSurface Pro 11およびSurface Laptop 7の999ドルモデルが販売中止となったことは、新型モデルへの移行を強調する意図が透けて見える。一方で、価格帯の選択肢が狭まり、消費者層の一部を切り捨てる結果にもなりかねない。この判断に対しては、製品刷新に伴う自然な整理と見る声がある一方で、ミドルレンジ市場を軽視したとの批判も存在しており、今後の販売動向が注目される。
Windows 11のAI機能拡張がもたらすユーザー体験の変化と課題
Microsoftは今回のSurface発表に合わせて、Windows 11におけるAI機能の拡張を強く打ち出している。Copilot+ PC向けのAIエージェント機能や「Click To Do」「Ask Copilot」などの対話型UIの進化に加え、Photosの「リライト」、Paintの「オブジェクト選択」、Snipping Toolの自動トリミング機能、Notepadのテキスト生成といった、具体的なアプリ機能のアップグレードが列挙された。これにより、操作効率や創造的作業の補助といった点で従来のWindows体験が一変する可能性がある。
一方で、こうした機能の多くはAI前提で設計されており、利用者のリテラシーや使いこなしが前提となる。AIを前面に押し出すことで、逆に従来型ユーザーの操作感に乖離が生じる懸念も否めない。Microsoftは非AIユーザーへの配慮として、フォーマット機能の改善や簡易UIの整備も図っているが、その効果は今後の展開で明らかになる見込みである。AI機能の受容度が、OSアップデートの評価に直結する構図が今後強まると見られる。
Xbox携帯機の新展開とPalworldの機能削除に見るゲーム業界の転機
米連邦通信委員会(FCC)の申請書類により、ASUSとXboxチームが共同開発中とされる携帯型ゲーム機「Project Kennan」の存在が明らかになった。本体画像にはXboxボタンや専用レイアウトが確認されており、Windows 11をベースとしながらもゲーム専用機能が追加される可能性が指摘されている。
この新型デバイスは、5月20日に開催予定のComputexにおいて正式発表される可能性が高く、モバイルゲーミング市場における新たな競争軸として注目を集めている。
他方で、Palworldを開発したPocketpairは、任天堂との法的対立により機能の削除を余儀なくされている。最新のアップデートでは、Palに乗って滑空する機能が廃止され、捕獲・召喚アニメーションの削除も相次いでいる。法的要請による仕様変更がユーザー体験を損ねる形となっており、ゲームの自由度と知的財産保護の間で難しいバランスが求められている。今後のアップデート方針次第では、コミュニティの支持を維持できるか否かが問われる局面に入る。
Source:Windows Central