Bloombergのマーク・ガーマン氏によれば、Appleはタッチスクリーン対応のmacOSとiPadを融合させた「ハイブリッドMac」の開発を進めており、2028年の登場が視野に入っているという。このデバイスは折りたたみ式のiPadとMacの要素を併せ持ち、macOSのUI刷新やiPadOSの進化と連動して開発されている可能性がある。

過去にはタッチ対応Macや専用キーボードアクセサリの特許も取得されており、複数年にわたる計画の一環と見られる。なお、2026年にはOLED搭載の次期MacBookも予定されており、AppleのPC戦略は今後大きな転換期を迎える可能性がある。

2028年に登場か 折りたたみiPadとタッチ対応Macを融合した新カテゴリ端末

Appleが開発中とされる「ハイブリッドMac」は、折りたたみ可能なiPadの形状にタッチ操作に最適化されたmacOSを組み合わせるという、これまでにない新ジャンルの製品である。Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、Appleはこの端末を2028年に投入する可能性があるという。macOSは従来タッチ操作に対応しておらず、カーソル操作を前提としたUIで構築されてきたが、2024年6月のWWDCではmacOS 16においてvisionOSの影響を受けた大幅なインターフェース改良が導入される見通しだと報じられている。

また、iPadOS 19もウィンドウ管理機能が進化することで、Macに近い操作性が期待されている。これにより、従来別々のラインにあったMacとiPadの融合が技術的にも現実味を帯びてきた。Appleはすでにタブレット型デバイス向けのMagic Keyboard風アクセサリの特許も取得済みであり、今回の製品はこうした取り組みの延長線上にあると考えられる。

macOSとiPadOSのUI再設計が示す長期計画の一端

今回のハイブリッド端末に向けた準備は、OSレベルでの進化によって裏付けられている。macOSは長らく非タッチ設計であったが、カーソル中心から脱却し、visionOS的な空間的インターフェースへの転換が進められている。これは単なる機能拡張ではなく、タッチやジェスチャー、さらにはAR的操作をも視野に入れた設計思想の転換といえる。同様にiPadOSにおいても、マルチウィンドウやマルチタスクの機能強化が進んでおり、これまでMacでしか実現できなかった作業効率をタブレットでも可能にする環境が整いつつある。

これらの変化は独立したアップデートとして語られがちだが、両OSを跨ぐ将来的な統合端末への布石として理解すると、一連の進化がより戦略的な意味合いを持って浮かび上がる。OS設計の一体化は、Appleが複数年かけて進める構造的な転換の一部であり、ハードウェア側の実装がそれに追いつこうとしている段階と見てよい。

タッチ対応Mac構想は2023年以前から存在 開発の蓄積が製品化を後押し

今回のハイブリッド構想は唐突に浮上したものではない。マーク・ガーマン氏は2023年時点でも、Appleが2025年を目標にタッチスクリーンMacを準備していると報じていた。さらに、AppleはmacOS風のUIを持つタブレットに関する特許をすでに取得しており、Magic Keyboardに似た新型アクセサリの存在も判明している。これらはそれぞれ単体では注目を集めるには至らなかったが、今回のハイブリッドMac構想と結びつけることで、その開発の蓄積と方向性がより明確になる。

2026年に予定されているOLEDディスプレイ搭載のMacBookや、次世代M6チップ、さらなる薄型化といったハードウェアの進化も、同時期に投入される可能性のあるこの新端末にとって重要な技術基盤となり得る。こうした複数の技術と計画の集約が、2028年というタイミングに意味を持たせていると見ることができる。

Source:Macworld