Shopifyの株価が、5月19日からのNasdaq-100指数への組み入れ決定を受けて約15%上昇し、4月安値からは30%の上昇幅を記録している。組み入れにより、QQQをはじめとする指数連動型ファンドの買い需要が発生し、投資家の注目は一段と強まっている。加えて、同社は第1四半期に23.6億ドルの売上高を達成し、市場予想と一致する内容を示した。
今後の成長見通しについても評価は高く、Benchmarkは125ドルの目標株価を提示し、現水準から約20%の上昇余地を見込む。2025年後半までに市場シェア拡大が可能との見方を示しており、売上成長率は第2四半期に20%台中盤と予測されている。一方で、全体としてのアナリスト評価は「モデレート・バイ」にとどまり、過熱感を警戒する声も残る。
Nasdaq-100採用と指数連動資金の需給が生む株価押上げ要因

Shopifyが5月19日付でNasdaq-100指数に組み入れられることが正式に発表され、同社株は直後に15%の急騰を見せた。組み入れ対象となることで、Invesco QQQ Trust(QQQ)をはじめとする指数連動型ETFによる買い需要が発生し、需給面で明確な株価押上げ要因となった。
実際、この発表は第1四半期の23.6億ドルという堅調な決算直後に重なっており、買いの勢いを後押しした。今回の上昇により、株価は4月の安値から累計で30%もの上昇幅を記録するに至っている。
このような指数採用による流動性の向上と認知度の高まりは、Shopifyにとって単なる短期的イベントにとどまらず、今後の市場参加者層の拡大と評価の再構築にも波及し得る。Nasdaq-100は米国市場におけるハイテク・成長企業の代表格であり、そこに名を連ねることは、同社が中長期的に注目を集める基盤を得たことを意味する。ただし、指数への組み入れそのものが業績の裏付けとは異なる性質の要素であるため、短期的な価格上昇が恒常的な評価水準の変化と直結するわけではないという点には慎重な見方も求められる。
Benchmarkの強気見通しと収益成長に対する投資評価
Benchmarkのアナリストは、Shopify株に対して目標株価125ドルを提示しており、現在の水準からおよそ20%の上昇余地があるとの見方を示している。この評価は、同社の広範な顧客基盤と堅固な事業構造を踏まえた中長期的視点に基づくものである。加えて、2025年後半にかけて市場シェアの拡大が見込まれ、第2四半期には売上高が前年比で20%台中盤に達するとの予測が立っていることが、強気姿勢の背景となっている。
他のウォール街の評価機関もこれに一定の賛同を示しており、全体として「モデレート・バイ」という評価が形成されている。平均目標株価は約118ドルに設定され、現在の株価との乖離から一定の上昇期待が読み取れる。ただし、Benchmarkほど明確な上昇シナリオを描いているわけではなく、やや慎重な姿勢を取るアナリストも存在する。
今後の株価推移は、成長性の持続と収益構造の健全性が実績として証明されるかに大きく依存する状況にある。評価はあくまで前提条件が満たされることを前提としたものにすぎず、実績との乖離が明確になれば見通しは容易に転換され得る。
Source:Barchart