BloombergのMark Gurman氏によれば、AppleはiOS 19で新たなWi-Fi接続機能を導入する見通しである。この機能により、公共Wi-Fiに1台のiPhoneやiPadでログインするだけで、同一Apple IDに紐づく他のMacやiPadも自動的にネットワークへ接続されるようになるという。これまで空港やホテル、カフェなどで繰り返されていた面倒なウェブフォーム記入や認証手続きが、1台の操作で完了し、他デバイスへ情報が同期される。

この仕様は、複数台のApple製品を日常的に使う利用者にとって、煩雑なログイン作業を大きく簡略化する可能性がある。ただし、接続台数制限があるネットワークでどのように動作するかなど、不明点も残る。

iOS 19がもたらすWi-Fi共有の自動化と同期の仕組み

iOS 19では、Appleデバイス間でのWi-Fi接続情報の同期機能が導入される見通しである。BloombergのMark Gurman氏によると、iPhoneなどの1台で公共Wi-Fiにログインすれば、同一アカウントのiPadやMacも自動的に同じネットワークへ接続できるようになる。従来はそれぞれの端末でホテルやカフェのポータルサイトにアクセスし、個人情報の入力や認証コードの登録を個別に行う必要があった。新機能はこの手順を大幅に簡略化し、初回ログインの情報が他のApple製品にも即時反映される設計となる。

この仕組みは、iCloudを通じたデバイス間連携の延長と見られ、AirDropやiCloudキーチェーンと同様にエンドユーザーの操作負担を抑えるものと考えられる。ただし、この機能が有効になるのは公共Wi-Fiにウェブフォームが設置されているケースに限定され、完全な自動接続が保証されるわけではない。また、法人向けのネットワーク構成やセキュリティ設定によっては、この自動同期機能が制限を受ける可能性もある。

公共Wi-Fiの制限と新機能の対応可否への懸念

iOS 19でのWi-Fi接続の自動共有は利便性を大きく向上させるものの、公共ネットワーク側の仕様によっては完全な対応が難しいケースも考えられる。特に、ホテルや空港などでは、1部屋または1人あたりに接続可能なデバイス数を制限しているWi-Fi環境が存在する。このような設定下では、1台でのログイン後に他端末が自動的に認証されることで、規定以上の接続台数として扱われる可能性もある。その結果、ネットワークの切断や追加認証が求められるといった運用上の課題が浮上することも否定できない。

さらに、企業や大学などで導入されているエンタープライズ系Wi-Fiでは、MACアドレス認証や端末証明書ベースの接続制限がかけられている場合もあり、Appleの同期機能がそのまま通用しない可能性がある。Appleがどのような技術的対応を行うかは現時点では明らかでなく、WWDCでの発表が注目される。ユーザーが期待する「一度のログインで全デバイス接続」が、すべての環境で実現されるかは、今後の実装詳細に左右されるだろう。

Source:Lifehacker