Samsungは、AIアシスタント「Gemini」を今後数ヶ月以内にGalaxy Buds 3およびGalaxy Watchに導入すると正式に発表した。これにより、同社のウェアラブルデバイスでも音声による自然な操作やメール要約などの高度な機能が利用可能になる見通しである。Googleもまた、Sony製イヤホンへのGemini対応を明かしており、対象モデルの詳細は未定だが複数機種への展開が予想される。

GeminiはすでにPixelスマートフォンやAndroid Autoなど幅広い領域に統合されており、今回の対応拡大はその流れを強化するものといえる。Google Assistantが徐々に存在感を失う中、SamsungとGoogleの協調によって、スマートデバイス全体での一貫したAI体験の構築が進みつつある。

Galaxy Buds 3とGalaxy WatchにGeminiが導入される意義

Samsungは、Googleと連携する形でAIアシスタント「Gemini」をGalaxy Buds 3およびGalaxy Watchに「今後数ヶ月以内」に導入する計画を明らかにした。これにより、音声操作による日常的な情報取得やリマインダー、通知管理、さらにはメールの要約といった機能が、スマートフォンに頼らずともウェアラブル端末のみで実現可能となる。これまでGoogle Assistantでは短い応答にとどまっていたが、Geminiの登場によってより自然な会話と情報処理が実現するとされている。

Galaxy Watchでは、Geminiを通じて「物をどこに置いたかを記憶させる」といった生活補助的な使い方が例示されており、音声AIの使い道が情報検索からパーソナルな記憶補完へと進化しつつあることが伺える。また、Buds 3でもつまみ操作などによってスマートフォン経由でGeminiが利用できるとされ、音声と操作の融合が強化される見込みである。

これらの機能が実際にどの程度の精度と応答速度を持つかは現時点では明かされていないが、音声デバイス単体でのAI体験が広がることは、イヤホンやスマートウォッチの役割を根本から変える可能性を秘めている。特に屋外や移動中といった画面の確認が困難な場面で、視覚に依存しない高度なAI応答が実現されれば、ウェアラブルデバイスの利用価値はさらに高まるだろう。

GeminiがSonyイヤホンにも対応する拡張性とその展望

GoogleはSamsung製品にとどまらず、SonyのイヤホンにもGeminiを対応させる方針を明らかにしている。対象モデルの詳細には言及されていないが、これまでGoogle Assistantの対応が限られていた他社製オーディオ機器にもAIの波が広がる兆しとなっている。Geminiの導入が進むことで、Androidプラットフォーム全体におけるAI体験の一貫性が強化される可能性がある。

特にSonyのイヤホンは高音質とノイズキャンセリング技術に定評があるため、そこにGeminiの音声認識能力が加われば、従来の音楽再生用途から脱却した多機能なデバイスへと進化する道筋が見えてくる。例えば、通話や翻訳、通知読み上げといった実用的な機能が、音質や装着感といったハードウェアの強みにAIを組み合わせることでさらに高い完成度に到達することも考えられる。

とはいえ、Sony側の具体的な対応スケジュールや機能内容が不明な点も多く、ユーザーにとっては導入時期や操作性、Geminiの処理能力が実使用にどれだけ適合するかが重要な判断材料となる。Googleがウェアラブル、テレビ、自動車、Pixel WatchなどにもGeminiを展開している現状を踏まえれば、音声デバイスの次なる主戦場は「視覚不要」のAI体験である可能性が高まってきている。

Source:9to5Google