ウォーレン・バフェットが率いたバークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオ(総額2,770億ドル)において、Apple、American Express、Bank of America、Coca-Colaの4銘柄が57%以上を占めている。Appleは約595億ドルで最大の構成比を誇り、23億台を超えるデバイス群とサブスクリプション収益が評価されている。

American Expressは1991年から保有が続き、Z世代の需要も取り込む戦略で金融基盤を維持している。Bank of Americaは3.3兆ドルの資産規模を活かした経済全体への投資対象である一方で、金利変動の影響も抱える。Coca-Colaは1988年からの超長期保有銘柄で、年間8億ドルの配当を生む「配当王」としての地位を不動にしている。

Appleが占めるポートフォリオ最大比率とその持続力

バークシャー・ハサウェイが保有するApple株の価値は約595億ドルに達し、同社の株式ポートフォリオにおいて最大の構成比を占めている。Appleの存在感は、単なる時価総額3兆ドルという規模の大きさにとどまらず、23億5,000万台以上のアクティブデバイスに裏打ちされたエコシステムの強さにある。

iOSプラットフォームを基盤に展開されるサブスクリプションサービスやApp Storeからの継続的収益が、財務の安定性と高いキャッシュフローを生み出している。さらに、同社の大規模な株式買い戻し政策は、投資家にとって株価下支え要因として評価されており、バフェット自身も「クックは私よりバークシャーに利益をもたらした」との言葉を残している。

成長率の鈍化という課題を抱えながらも、Appleのビジネスモデルは「製品単体での売上」に依存しない構造へと進化しており、その戦略は今後も評価され続ける可能性がある。特に、デバイス販売のみにとどまらず、サービス収益への依存度を高めている点が、長期保有における安心材料となり得る。これにより、成長の質が量を凌駕するステージに入ったと見ることもでき、今後もバークシャーの中核銘柄であり続けると考えられる。

コカ・コーラが示す「配当王」としての信頼と実利

Coca-Cola株は1988年に取得されて以来、バークシャー・ハサウェイの代表的な長期保有銘柄であり、現在の保有価値は約282億ドルに上る。Coca-Colaのビジネスは爆発的な成長を伴うものではないが、62年連続で配当を増加させてきた実績を持ち、「配当王」としての安定感を誇っている。バークシャーは同社から年間8億ドル超の配当を得ており、投資収益の観点からも極めて効率的なポジションであることがうかがえる。また、同社は北米だけでなく新興市場への展開も継続しており、製品ラインの多様化によって全人口を対象に収益機会を広げている。

ブランド力の高さと日常消費に根ざした商品特性は、景気変動の影響を相対的に受けにくい点で強みといえる。急成長株に比べると話題性は乏しいが、「ゆっくりと確実に資産を築く」ための手堅い選択肢であることに変わりはない。飲料市場の細分化と、新製品投入によるシェア拡大が続けば、今後も長期保有に耐えうる堅実な銘柄として位置づけられるだろう。コカ・コーラのような存在が、バークシャーのポートフォリオにおいて信頼の象徴として機能しているのは偶然ではない。

Source:The Motley Fool