Digital Foundryは、Nintendo Switch 2に関する最も詳細な技術情報を公開し、搭載されるカスタムNvidia T239チップやAmpere世代GPUの構成、そしてメモリ仕様に至るまでの全貌を明らかにした。CPUは8コア構成で、うち6コアがゲーム開発者に開放される一方、GPUは1536基のCUDAコアを備え、前世代比で大幅な性能向上が図られている。

一方、搭載される12GBのLPDDR5Xメモリのうち、開発者が使用できるのはわずか9GBに限定されており、残り3GBはシステム機能に占有されていることから、リソース管理に対する懸念も浮上している。特に、DLSS各種モードの対応が強化される一方で、VRRの非対応が確認された点は、映像品質にこだわる層にとって無視できない制限となる可能性がある。

T239搭載で大幅性能強化 ARM Cortex-A78CとAmpere GPUの全貌

Nintendo Switch 2には、カスタム仕様のNvidia T239プロセッサが搭載され、性能面で前世代機から飛躍的な進化を遂げている。8コア構成のCPUはARM Cortex-A78Cを基盤とし、そのうち6コアがアプリケーション側に、残る2コアがシステムOSに割り当てられている。

さらに、ドック接続時よりも携帯モードのほうがクロック周波数が高いという逆転現象も特徴的で、ドック時は998MHz、携帯モードでは1101MHzに設定されている。この設計はモバイル性能の最適化を意図したものと考えられるが、将来的には1.7GHzというT239の最大クロックも視野に入る可能性がある。

グラフィックス面では、NvidiaのAmpereアーキテクチャを採用し、CUDAコア数は1536に拡張された。初代Switchの256コアと比較して6倍の増強となり、グラフィックス処理能力の劇的な向上が見込まれる。また、ドック接続時のGPUクロックは1007MHz、携帯モードでは561MHzとなるが、開発者には最大1.4GHzまでのアクセスが許容されており、パフォーマンスチューニングの自由度が高い。これらの仕様は、AAAタイトルの移植や高度なグラフィック表現に対するハードウェア的な備えといえるが、実際のパフォーマンスはソフトウェア側の最適化にも左右される。

携帯機で9GB制限 メモリ割当の現実と機能優先設計の余波

Switch 2に搭載されるLPDDR5Xメモリは12GB構成であり、モジュールは6GB×2という形式を取っている。帯域幅はドック時で102GB/s、携帯時では68GB/sとされ、数値上は現行世代の携帯端末を凌駕する仕様である。ただし、ゲーム開発者が利用できるのはそのうちの9GBにとどまり、残りの3GBはGameChatなどの常駐システム機能により占有されているとされる。この割当構造はゲーム以外の機能重視を示唆しており、開発者にとっては制約要因となり得る。

この制限は、特にメモリ要求の高いオープンワールド系タイトルやAI処理を多用するゲームにおいて制約を及ぼす可能性がある。一方で、任天堂が重視する安定性と省電力設計、さらには携帯機としての一貫性を確保するための選択であるとも受け取れる。

また、DLSS 1x〜3xやDLAAといったアップスケーリング技術への対応は確認されており、グラフィック負荷の軽減と視覚的品質の両立に向けた工夫も盛り込まれている。とはいえ、9GBという実効メモリ容量が次世代機として十分か否かは、タイトルラインアップの内容と最適化技術の進展次第となる。

Source:NotebookCheck