Intelは、第13世代および第14世代のCore CPUに加え、最新のArc GPUやEndurance Gaming Modeに関しても新たなセキュリティ脆弱性が確認されたと発表した。今回明らかとなった問題の中には、情報漏洩や権限昇格、サービス拒否(DoS)を引き起こす可能性のある重大な欠陥が含まれている。特に、分岐予測ユニットやCNViインターフェースの初期化不備に関するバグは、Core Ultra 5/7/9の全モデルに影響し、既にマイクロコードアップデートが進められている。
また、Arc B580を含む最新のグラフィックスドライバや、第7世代以降の内蔵GPUにも高リスクとされる脆弱性が存在し、迅速なドライバ更新が必要とされる。加えて、省電力を目的としたEndurance Gaming Modeでも類似の問題が報告されており、同機能を搭載するノートPCユーザーに対し、早急なパッチ適用が推奨されている。
Core UltraとArc GPUにまたがる深刻な脆弱性の波及範囲

Intelが発表した最新の脆弱性には、Core Ultraプロセッサーの制御機構とArc GPUのドライバに関する複数の欠陥が含まれており、セキュリティ上の懸念が広がっている。特に注目されるのは、Core Ultra 5、7、9の一部モデルで分岐予測ユニットのリソース初期化に不備があり、認証ユーザーによる情報漏洩の可能性がある点である。
また、同じくCore Ultraチップに搭載されるCNViインターフェースにおいても、権限昇格を引き起こす恐れがあるとされる。これらのバグに対してはマイクロコードアップデートによる対応が進められているが、すべての端末に適用されているかどうかは明確ではない。
一方で、GPUに関してもIntelのArc B580を含む最新モデルや第7世代以降の内蔵GPUにおいて、グラフィックドライバを起因とした「高」深刻度の脆弱性が判明している。サービス拒否(DoS)や権限昇格、情報漏洩といった多層的なリスクが指摘されており、対象ユーザーには既に修正済みのドライバへの更新が求められている。CPUとGPUの双方に及ぶセキュリティリスクが同時に浮上するのは異例であり、複数コンポーネントが同時多発的に影響を受けている構図が業界内で警戒されている。
Endurance Gaming Modeに潜むリスクとノートPCユーザーの対応策
IntelがノートPC向けに展開しているEndurance Gaming Modeでも、新たにセキュリティ上の問題が確認された。このソフトウェアはリアルタイムのフレームレート管理とGPU負荷の最適化により、電力効率とバッテリー寿命を向上させる機能を担うものだが、その内部に権限昇格の可能性を秘めた脆弱性が存在するとされる。これにより、悪意のあるソフトウェアが本来より高い権限を不正に取得する危険性がある。対象となるのは同ソフトの旧バージョンであり、Intelは利用者に対しバージョン1.5.651.0への更新を求めている。
この問題の本質は、パフォーマンス向上を主目的とする制御機構がセキュリティ設計と対立した構造を持つ点にある。特にノートPCにおいては、低消費電力化と高性能化の両立が求められるが、その実装が不完全であればシステム全体の信頼性に影響を与えかねない。
Endurance Gaming Modeのようなエネルギー管理ソフトは今後も拡張が進む見込みだが、セキュリティ面の設計検証が追いつかなければ、本質的に企業向け利用や一般ユーザーの安全性確保に支障を来す可能性がある。Intelによる迅速な修正対応は一定の評価に値するが、開発段階でのリスク予防体制の強化が中長期的な課題となる。
Source:PC Gamer