ウォーレン・バフェットが2025年末でバークシャー・ハサウェイのCEO職を退くと発表した。約60年にわたり同社を世界有数の投資コングロマリットへと育て上げた彼の引退は市場に大きな節目をもたらすが、その核心にある4つの高配当銘柄の存在は揺るがない。
グレッグ・アベル新CEOのもとでもアメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・アメリカ、シェブロン、コカ・コーラは中核保有銘柄として維持される見通しである。いずれも安定した配当利回りと堅実な業績に支えられ、バークシャーのポートフォリオにおける重要性は極めて高い。
市場では今後の配当方針やポートフォリオ構成の変化に注目が集まるが、長期的視野で築かれたバフェットの銘柄選定眼は、依然として投資家の指針であり続ける可能性が高い。
バフェットの後継体制と配当政策の継続性

バークシャー・ハサウェイは、2025年末にウォーレン・バフェットがCEO職を退くという節目を迎える。これにより、60年にわたる類まれな経営の歴史が一区切りを迎えるが、後継者グレッグ・アベルは「会社の進む道は変わらない」と明言している。同社の運営方針、とりわけ安定的なキャッシュフローの源泉となる高配当銘柄への信頼は継続されると見られており、投資家にとっては安心材料のひとつである。
特に、アメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・アメリカ、シェブロン、コカ・コーラという4銘柄は、同社ポートフォリオの中核を成しており、単なる資産ではなく戦略的持株と位置付けられてきた。それぞれの企業は異なる産業分野に属しながらも、いずれも堅調な業績と安定した配当実績を誇っており、長期的なリターンとリスク分散を同時に実現している。
今後アベル新体制のもとで細かなリバランスは行われる可能性があるものの、大規模な方針転換は想定しづらい。これらの銘柄が放つ配当の安定性と継続性が、バークシャーの財務基盤を支える柱であることに変わりはないからである。
各銘柄の配当戦略とバークシャー保有比率の実情
アメリカン・エキスプレスは、バークシャーが21.6%の株式を保有し、ポートフォリオ全体の15.8%を占める主力銘柄である。クレジットカード事業を中核とし、国際事業やデータ分析サービスにまで展開する同社は、消費者決済市場におけるブランド力と収益安定性で他を圧倒する構造を有している。過去1年間で株価も顕著に上昇しており、配当利回りも魅力的な水準に達している。
バンク・オブ・アメリカもまた、6億8,000万株超を保有しており、配当と自己株買いを両立する姿勢を維持している。金融業界全体に逆風が吹く場面でも堅調な業績を保ち、個人・法人向け金融、グローバル資産管理、証券取引といった多岐にわたる収益源を確保している。
加えて、石油・天然ガスの上流から下流までを手がけるシェブロンは、バークシャーに年間7億ドル超の配当をもたらす存在である。2023年に発表したHess買収計画も含め、資源価格の変動を乗り越える戦略を打ち出している点が特徴である。コカ・コーラに至っては、株式の9.3%を保有し、世界200カ国以上で日々消費されるブランド力に裏打ちされた収益の安定性が際立つ。
4銘柄は単なる高配当株という枠を超え、バークシャーにとっては資産価値と配当収入の両面で中核を成す存在であり、その保有比率は経営方針の象徴でもある。
Source:24/7 Wall St.