Appleが2026年に投入を計画しているiPhone 18 ProおよびPro Maxでは、Face IDがついに画面下へと移行する可能性が高まっている。これにより「Dynamic Island」は廃止され、前面カメラのみを左上にパンチホールとして配置する新たなディスプレイ構成が導入される見通しである。

この技術は、赤外線センサーの透過性という長年の課題を克服し、サブピクセルの制御によって視覚品質を維持しつつFace IDをパネル裏に隠す仕組みを採用するとされる。ディスプレイ材料を提供するOTI Lumionicsの存在も報じられ、業界アナリストや関連企業の発言からも導入時期の信憑性が高まっている。

またAppleは、2027年には前面カメラさえも画面下に収めた真のオールスクリーンiPhoneの投入を視野に入れており、今回の仕様変更はその第一歩と捉えられる。

Face ID完全内蔵化に向けた技術革新と特許の裏付け

AppleがiPhone 18 Proシリーズで計画している画面下Face IDの搭載は、単なるデザイン変更にとどまらない。同社は過去数年にわたり、ドットプロジェクターや赤外線受信機を画面背後に統合するための技術開発を進めてきた。2024年に公開された特許では、赤外線を透過させるためにサブピクセルを選択的に除去する手法が提案されており、これが実用化の鍵とされている。

ディスプレイ技術においては、OTI Lumionicsが開発した新素材が重要な役割を果たす見込みであり、同社のCEOであるマイケル・ヘランダー氏は、2026年にこの素材を採用したスマートフォンが市場投入されると明言している。これにより、Face IDの完全埋め込みが現実味を帯びてきた。

ただし、今回の技術は前面カメラには適用されず、画面左上にパンチホールとして残る見通しである。完全なオールスクリーン化は実現しないが、Dynamic Islandの廃止は確実視されており、視覚的な一体感の向上につながる変化となるだろう。

中央配置の伝統を破る左上パンチホールという設計判断

iPhone 18 Proで導入が見込まれている左上パンチホールのデザインは、Appleの長年の設計ポリシーに対する例外的な判断と言える。同社は従来、前面カメラを画面中央に配置し、左右対称性やデザインの均整を重視してきた。しかし今回の仕様では、Face IDを完全に画面下に隠す一方、カメラだけを左上に露出させる構成が採用される見込みである。

この決定は、デバイス正面の視覚的バランスに大きな変化をもたらす。特に動画視聴やゲーム利用時の没入感にどのような影響を及ぼすかは注目される部分であり、一部の利用シーンでは視線の偏りを感じる可能性も考えられる。

Appleにとっては、カメラまでをも完全に埋め込むことが困難な現状において、左上への配置が妥協点であると見ることができる。今後さらに技術が進化すれば、2027年に計画されているフルディスプレイiPhoneの実現に向けた中間段階という位置づけとなるだろう。

Source:The Mac Observer