SamsungがGalaxyスマートフォン向けに、新たなAI機能として「静止画像から動画を生成するツール」を導入する可能性があることが明らかになった。この機能はGoogleのGeminiベースで実装されると見られ、既にHonor製スマートフォンには類似技術が先行搭載されている。Honor版では猫や車の画像から動きを加えた動画を自動生成するが、動きの自然さにはばらつきがあり、処理時間や生成本数にも制限があるとされる。

Samsungも同様の制限を設ける可能性があり、Galaxy AIの一部を有料化する布石と見る見方もある。現行のOne UI 8には未搭載であることから、7月発表が予想されるGalaxy Z Fold 7やFlip 7での披露が注目される。

Gemini連携による画像変換AI、Honorが先行もGalaxy向けに本格展開か

Samsungが準備中とされる静止画像から動画を生成するAI機能は、GoogleのGemini技術との連携によって実現する可能性がある。このAI機能は、Galaxyデバイス上で画像に動的表現を加え、動画として再構築するもので、視覚的なコンテンツ表現の幅を広げる狙いがある。HonorはすでにGoogleの協力を受けて、画像変換機能をギャラリーアプリに実装済みで、静止画1枚から猫や車といった被写体に動きを加えるアプローチを採用している。これにより、被写体に命を吹き込むような体験を提供しつつも、動作の自然さにおいてはまだ発展途上の段階にあると評価されている。

Gemini Advancedではテキストから動画を生成する機能に留まっているが、Honorの実装は画像ベースの先行事例となっており、Samsungがどのような形で差別化を図るかが注目される。特に、Galaxy向けに同機能を展開する場合、生成時間、使用制限、対応機種の範囲など運用面での設計が重要な要素となるだろう。また、Google依存ではなくSamsung独自AIによる提供が検討されている可能性も排除できない。技術の成熟度と導入タイミングがユーザー体験を左右する重要な分岐点となる。

Galaxy AIの有料化に向けた布石か 動画生成機能の制限と時限提供が示唆すること

Honorが採用した画像→動画変換機能には、1日あたり10本までという生成制限と、2か月間の無料提供という利用条件が設定されている。これと同様の制限が、今後SamsungによるGalaxy AI機能にも適用される可能性がある。Samsungは以前から、Galaxy AIの一部機能が将来的に有料化される可能性を公式に示しており、今回の動画生成機能がその起点として選ばれる可能性が指摘されている。特に、Googleが無料で提供していない機能に価値を付加し、Galaxy AIサブスクリプションモデルの入口とする戦略が現実味を帯びつつある。

この動きが実際に進めば、これまで無償で享受できていたAI機能の一部が、今後は特定条件下でしか利用できなくなることを意味する。生成に時間がかかる、動作が不自然に感じられる、といった課題はあるにせよ、新しい体験を提供する高付加価値機能として市場に位置づけることができれば、AI機能の有料化に対する一定の理解を得ることも可能だろう。Samsungが動画生成AIをどのタイミングで投入し、どのようなモデルに搭載するかは、Galaxyシリーズ全体のAI体験の方向性に影響を与える要素となる。

Source:SamMobile