GoogleはAndroid 16においてPixelスマートフォンの常時表示ディスプレイを刷新し、暗くなった壁紙の表示やウィジェットの再配置といった新機能を導入する可能性が浮上した。これはAndroid AuthorityがGoogleの発表資料内の画像から読み取ったもので、従来のPixelにはなかった視覚的な変化を示唆している。

新たな表示内容には、従来ロック画面で非表示だった壁紙を暗調で再表示する要素が含まれており、ウィジェットも時計右側に移動する構成となっている。これらはPixel 4以降削除されていた機能に似たもので、Android 16の正式リリースが見込まれる6月以降に復活する可能性がある。

ただし、この進化はSamsungやAppleが提供している高度なロック画面カスタマイズ機能にはまだ及ばず、Pixelが本格的に追いつくにはさらなる改善が求められる。

Android 16でPixelに復活する壁紙表示とウィジェット位置の再設計

Googleが公開した資料画像から、Pixelシリーズの常時表示ディスプレイ(Always-On Display)に対し、壁紙表示の復活とウィジェット配置の再設計が行われる兆しが見えてきた。特に注目すべきは、暗く処理された壁紙がロック画面上で常時表示と連動して表示されている点で、これはPixel 4以前には存在していたが、それ以降は省かれていた機能である。また、時刻表示の右側に「一目でわかる情報」ウィジェットが配置されている点も、これまでにないレイアウトとなっている。

こうした変更は、Pixel 9 Pro XLやPixel 9aなど、Android 16を初期搭載する機種で体験できるとみられており、リリースは6月が予定されている。ロック画面の表示設計に関して、SamsungやAppleのような細やかなカスタマイズ性にはまだ及ばないものの、少なくともPixelの表示表現に一定の進化が見られる内容である。

壁紙表示の復活は見た目の印象だけでなく、情報密度のバランスやユーザーの視認性にも影響を与えるため、視覚的な魅力を高めるという点で歓迎される改良といえる。ただしバッテリー消費への影響が依然として懸念事項であり、その点での最適化も求められる展開となる。

他社と比較したときのPixelの常時表示の限界と改善余地

今回のAndroid 16でのアップデート内容を見る限り、Pixelの常時表示機能はようやくSamsungのGalaxyシリーズやAppleのiPhoneに一部追いつきつつあるものの、依然として機能的には制限が多い。例えば、Samsungでは壁紙の切り替えやテーマの選択、iPhoneでは通知の表示スタイルやウィジェットの自由配置など、ロック画面に対する高いカスタマイズ性が提供されている。対してPixelでは、壁紙とウィジェットの基本的な構成すらこれまで長らく固定的だった。

今回のアップデートではようやく壁紙が表示され、ウィジェットの位置が移動するとはいえ、それらは他社では既に数年前から当たり前に実現されていた内容である。Android Authorityが示したように、Pixelのロック画面における表現力は長く停滞しており、バッテリー効率を理由に機能制限されていた過去の判断が、結果的に体験価値を損なっていたともいえる。

GoogleがMaterial Youやデザイン表現の刷新を図る中で、今回の常時表示アップデートはその一環と捉えられる。ただ、今後も他社のように背景やウィジェットを自由にカスタマイズできるレベルにまで達しなければ、Pixelのロック画面は依然として保守的な印象を拭いきれない状況が続く。今後のアップデートでの本格的な機能解放が期待される。

Source:TechRadar