OnePlusは「Ace 5 Racing」と「Ace 5 Ultra」の2機種を近日中に正式発表する予定であり、それぞれMediaTekの新型チップDimensity 9400eと9400+を採用すると明かされた。Ace 5 RacingはフルHD解像度の120Hzディスプレイとゲーム性能に特化した構成が特徴で、7,000mAhの大容量バッテリーや80W充電にも対応する。Ultraモデルはさらに上位構成となり、1.5K表示対応の6.83インチ画面、最大1TBのUFS 4.0ストレージ、100W急速充電といったハイエンド仕様が噂されている。
ゲーミング志向の高性能モデルとして位置づけられるこれらの端末は、近年の中国市場における高性能志向とスペック競争を象徴しており、特に大容量バッテリーと高速充電技術の採用は、長時間プレイを求める層への明確なアプローチと言える。
Dimensity 9400シリーズを搭載する2機種が狙うゲーム特化型の差別化戦略

OnePlusが投入を予告した「Ace 5 Racing」と「Ace 5 Ultra」は、どちらもMediaTek製の最新チップを採用する。RacingにはDimensity 9400e、Ultraには最上位のDimensity 9400+が搭載される予定で、どちらもパフォーマンス重視の設計が特徴である。120Hzの高リフレッシュレートディスプレイを両機種に標準搭載しており、ゲーミング用途への最適化が明確に打ち出されている。特にRacingには1080pの6.77インチ画面と7,000mAhのバッテリー、80Wの有線充電が組み合わされ、ゲームプレイの長時間化に耐えうる構成が取られている。
これらの仕様は、単なる性能競争という枠を超え、使用シーンに特化した設計思想の表れと捉えることができる。特に、ディスプレイ仕様とバッテリー性能のバランスからは、日常使いに加えゲームプレイや動画視聴などの“ながら使用”を意識した設計意図が透けて見える。また、RacingとUltraで解像度や充電性能に差をつけた構成は、価格帯の住み分けを意識しながら選択肢を広げる狙いと見られる。
Ace 5 Ultraが示すOnePlusのフラッグシップ戦略とストレージ競争の行方
Ace 5 Ultraは、6.83インチの1.5K解像度対応ディスプレイを採用し、最大16GBのRAMと最大1TBのUFS 4.0ストレージを搭載する可能性があるとされる。バッテリー容量はRacingと同じく7,000mAhだが、充電速度は100Wへと強化され、スペック面ではOnePlusのフラッグシップ級に位置付けられる内容となっている。特にUFS 4.0ストレージの採用は、高速なデータ転送とアプリケーション起動を可能にし、ハイエンド志向のユーザー層を意識した構成であることがうかがえる。
同社はこれまで、コストパフォーマンス重視の中堅機に強みを見せてきたが、Ace 5 Ultraの登場は、上位モデル市場でも存在感を示す意思表示とも捉えられる。ゲーミング用途にとどまらず、写真や動画の保存、ハイレゾ音源の利用といった多用途に対応する構成は、スマートフォンが担う役割の広がりに応えるものでもある。ただし、発表時期や価格帯が未公表の現段階では、真の競争力は今後の詳細発表に委ねられている。
カメラ仕様の共通化が示す設計効率とコスト最適化の可能性
Ace 5 RacingとAce 5 Ultraのいずれも、50MPのメインカメラを含むデュアル構成のリアカメラと16MPのフロントカメラを搭載するとされる。上位モデルとなるUltraが、ディスプレイや充電、ストレージ性能で優位性を持つ一方で、カメラに関しては下位モデルと共通設計を採用していることが注目される。これは、設計工程やパーツ供給の効率化、製造コストの抑制を目的とした判断と考えられる。
このようなカメラ仕様の共通化は、撮影機能を重視しない層にとっては十分な性能を維持しつつ、価格とのバランスを取る手法として有効に働く。一方で、上位モデルにおけるカメラ差別化が期待されていた層にはやや物足りなさが残る可能性もある。撮影機能よりもパフォーマンス重視の設計という割り切りは、ゲームやメディア消費を主目的とする使用シーンに重点を置いた明確な戦略の一環といえる。
Source:GSMArena