オーストラリアのテックレビュアーJarrod Farncombによる検証で、Nvidiaの新型モバイルGPU「RTX 5090」は、前世代の「RTX 4090」と比較して大幅な性能向上を果たしていないことが明らかになった。25タイトルにおける4K設定での平均フレームレートは5090が66fps、4090が65fpsとほぼ同等で、1080pではむしろ4090が上回る結果となった。特定タイトルでは5090が優位に立つ場面もあるが、全体として性能差は限定的であり、主な改善点はバッテリー効率に留まるとされる。

性能差に期待して最新モデルを選択する判断には慎重さが求められる。5090搭載機の省電力性は確かに評価できるが、それがGPUの純粋な進化によるものか、最新CPUによる影響なのかは依然不透明である。

RTX 5090モバイルの性能検証で示された世代間の実効差の乏しさ

Jarrod Farncombによる実機テストでは、Nvidiaの最新モバイルGPU「RTX 5090」は、前世代の「RTX 4090」との比較において、多くのゲームで実用的な性能差を示さなかった。4K設定では5090搭載ノートが平均66fps、4090搭載ノートが65fpsと、誤差の範囲に収まる結果となり、1080pではむしろ4090が1fps上回った。1440pにおいても両者は106fpsと107fpsで拮抗しており、いずれも明確な優位性を示すには至らなかった。

特定タイトルではRTX 5090が優位を見せた。『Cyberpunk 2077』で20%、『Warhammer 40,000: Space Marine 2』で18%のリードを記録した一方、『Alan Wake 2』や『Red Dead Redemption 2』ではRTX 4090が最大12.5%高速であった。結果として、タイトルによる最適化のばらつきがパフォーマンスの差を生み、5090の登場が決定的な世代交代を示すには不十分であると評価されている。

性能検証に用いられた2機種は同一ブランドのXMG Neo 16ながら、4090モデルにはIntel Core i9-14900HXとDDR5-5600、5090モデルにはIntel Core Ultra 9 275HXとDDR5-6400が搭載されており、プラットフォーム全体の差異も考慮が必要である。結果として、RTX 5090の投入は実ゲーム性能という観点で旧世代を明確に凌駕するものとは言い難い。

消費電力とバッテリー効率に見られる5090世代の潜在価値

パフォーマンスの差が小さい一方で、RTX 5090モバイルGPUの電力効率はRTX 4090を明確に上回っており、長時間のモバイル使用においては一定のアドバンテージを示している。Jarrod Farncombは、RTX 5090搭載機のバッテリー寿命が著しく延びている点に注目しており、この改善にはGPUそのものの設計変更だけでなく、最新のIntel Arrow Lake-HX CPUの寄与もある可能性を指摘している。

この点は、単純なフレームレート競争に留まらず、実際の利用環境下での利便性を重視する層にとっては重要な判断材料となりうる。とくにゲーミングノートPCが据え置き用途からモバイル用途へと活用範囲を広げる中、電力効率とシステム全体の熱管理性能は、GPU選定の新たな評価軸として注目されている。

ただし、電力効率向上の内実がGPUアーキテクチャによるものか、プラットフォーム全体の構成変更によるものかは現時点で明確ではない。RTX 5090の本質的な進化を見極めるためには、同一スペック構成による厳密なベンチマーク比較が今後求められる。性能以外の付加価値を見出す視点が必要とされる段階に差しかかっている。

Source: TechSpot