Capital One Financial(NYSE: COF)は、著名投資家ジム・クレイマーとウォーレン・バフェットの双方から支持を受けることで市場の注目を集めている。同行は過去2年で株価が121%上昇し、Discover Financialとの350億ドル規模の合併計画が進行中である。PERはわずか16.5倍と割安で、他のクレジットカード大手に比べて高い成長余地を示している。
クレイマーはこの合併により、Capital OneがVisaのようなフィンテック主導の巨頭に対抗しうる体制を築くと期待しており、アナリストも買収効果を評価して目標株価を引き上げている。バークシャー・ハサウェイがポートフォリオにCOF株を組み入れている点も、一定の信頼材料となる。
ただし、トランプ政権による通商政策の影響や合併後の統合リスクなど、先行きには不透明な要素も残る。短期的な買い時は過ぎたと見られるが、中長期の視点では依然として投資妙味のある銘柄といえよう。
Capital OneとDiscoverの合併がもたらす構造的変化と市場評価

Capital One Financial(NYSE: COF)とDiscover Financial Services(NYSE: DFS)の合併は、クレジットカード業界における競争環境を根本から塗り替える契機と捉えられている。両社の統合によって形成される金融基盤は、VisaやMastercardのような巨大企業に対抗する戦略的足場を築くものとなる。すでにCapital Oneは過去2年で株価が121%上昇し、PERは16.5倍と割安感を保ったまま、高水準の株価を維持している。また、この買収は350億ドル規模に及び、金融業界全体でも近年まれに見る大型案件となる。
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイもCOF株を保有しており、ポートフォリオに占める割合は0.5%と小さいながらも、選定された意義は無視できない。また、ジム・クレイマーはこの買収を「合併によって競争力が強化される」と高く評価しており、COF株を継続的に推奨している。
ただし、Visaが時価総額6,820億ドル、PER35.8倍という規模と評価を受けていることを踏まえると、Capital Oneがこの合併後に真に競合となり得るかは未知数である。業界の寡占構造に風穴を開けるには、統合後の戦略執行とデジタル投資の成否が鍵を握る。市場は期待と懸念の間で揺れ動いており、この案件が構造的転換を実現するか否かは、今後数四半期の動向に委ねられている。
割安性とモメンタムの共存が示すCOF株の投資妙味
Capital Oneの現在の株価水準は、すでに底値を脱した位置にありながらも、割安性という投資価値を依然として保っている。PERはわずか16.5倍に留まり、同業他社と比較しても割安であることは明白である。さらに、直近の好決算によって市場の信頼を高めたことで、株価は1株200ドル前後の高値圏を維持しつつ、勢いを加速させている。このようなモメンタムの背景には、Discoverとの合併報道が呼び水となっていることは間違いない。
一方、注意すべきはトランプ政権下で再燃している関税政策の影響である。新たな関税が景気後退を招く可能性は拭えず、これが消費者信用や融資事業の収益に悪影響を及ぼすリスクも内包している。ただし、現時点ではその懸念は和らぎつつあり、アナリストの一部はCOF株を買い評価に据え置いたまま、目標株価を引き上げる動きも見られる。
したがって、割安感と成長期待が共存するCOF株は、タイミングを見極めたうえでの中長期的な投資対象として一定の合理性を持つといえる。底値からの急騰後であることを踏まえれば、短期的な利ざやよりも、今後の企業統合効果と業界ポジションの変化を注視する投資スタンスが望ましいだろう。
Source: 24/7 Wall St.