Appleが公式サイトから「AirTagループ」を削除し、同アクセサリーの販売を終了したことが確認された。この動きは、AirTagシリーズに近く新モデルが登場する可能性を強く示唆している。
MacWorldの報道によれば、AirTagループは数か月前から新規入荷が停止されており、現時点で入手できるのは一部オンラインストアに限られる。また、Appleは過去にもiPhone 15シリーズの発表前に旧アクセサリーの取り扱いを終了しており、同様のパターンが見られる点も注目される。
AirTag 2には、新しいUWBチップによる精度向上、iPhoneやApple Watchとの連携強化、そしてデザイン刷新などが期待されており、アクセサリーの終売はその準備段階と見られている。
アクセサリー終売はAirTag新モデルへの布石か

Appleが公式サイトから「AirTagループ」を削除し、販売終了したことは、単なる製品整理にとどまらず、次期AirTagの投入に向けた動きである可能性がある。このアクセサリーは、初代AirTagと同時に登場し、同製品を携帯・装着するために欠かせない存在だった。MacWorldのFilipe Espósito氏が指摘するように、ここ数か月、Appleストアでの新規入荷は停止されており、現在ではAmazonなどの外部販売店で値引き販売されているに過ぎない。
2023年のiPhone 15シリーズ発表前にも、AppleはiPhone 14 Pro向けのレザーケースの取り扱いを終了し、ファインウーブン素材へ移行した経緯がある。今回のAirTagループ終売も、それと同様のパターンと見ることができ、製品更新に先立つ周辺アイテムの整理として一貫した動きと捉えられる。
製品単体ではなく、エコシステム全体を刷新する姿勢を示すこのアプローチは、AppleがAirTag 2を準備中であるとする見方をより強く裏付ける材料となっている。新製品に合わせたアクセサリー展開が開始される時点で、より具体的な仕様が明らかになる可能性がある。
第2世代UWBチップの搭載がもたらす性能向上
AirTag 2では、現行の「U1チップ」に代わり、iPhone 15シリーズやApple Watch Series 9に採用された第2世代のウルトラワイドバンド(UWB)チップが搭載されると見られている。このチップは、従来の約3倍の距離まで対象物との通信を可能にし、より広範囲での位置特定が実現できるという技術的特徴を持つ。これにより、「Precision Find(精密検索)」機能の追跡精度が大幅に高まることが期待される。
特に屋内や都市部など、電波干渉が多く発生しやすい環境でも安定した探知性能を発揮できる点は、日常的に紛失物を追跡するシーンにおいて重要な強化ポイントといえる。また、AirTagとiPhoneの連携だけでなく、Apple Watch側からの位置検索機能の精度も今後向上することが見込まれ、エコシステム内のトラッキング体験がより一層洗練される方向に進む。
ただし、これらの機能向上はUWBチップに対応するデバイスに依存する面もある。すべてのiPhoneユーザーが恩恵を受けられるわけではないため、対応機種の幅や互換性への配慮も重要となる。
ユーザーの不満に応える可能性を秘めたデザイン刷新
現行のAirTagは、アクセサリーを使用しなければ鍵やバッグなどに直接取り付けることができない構造であることから、その実用性に対して一定の不満が存在してきた。AirTag本体と同程度の価格で販売されているループやキーホルダーなどの周辺アクセサリーが、事実上の必須アイテムとなっていた点も見逃せない。
こうした課題に対し、AirTag 2ではループホールを内蔵するなど、単体での取り付けが容易な構造への改良が求められている。また、財布などに収めやすい薄型デザインや、より目立ちにくい形状のバリエーションが登場すれば、用途の幅が広がる可能性がある。加えて、音量の増強によって、AirTagを探す際の利便性が一段と高まるとの声も挙がっている。
Appleがこれまでのアクセサリー依存構造を見直す方向に動くならば、利便性の向上だけでなく、トラッキングデバイス市場における競争力の再強化にもつながると考えられる。選択肢の増加と使いやすさの向上が実現されれば、サードパーティ製品に流れていた一部の関心も呼び戻せるかもしれない。
Source:BGR