Apple初となる折りたたみ式iPhoneのプロトタイプに、画面下カメラとパンチホールカメラの両方が採用される可能性が高まっている。中国のリーカーDigital Chat StationがWeibo上で共有した情報によれば、本端末はOppo Find N5に似たブック型デザインで、内側ディスプレイに画面下カメラ、外側にはパンチホールカメラを搭載する構成とされている。Touch IDは電源ボタンへの内蔵が検討されており、Appleがこれまでに採用してこなかった複数の技術が導入される見通しである。

2026年後半の登場が噂されるこのデバイスは、従来のiPhoneとは異なる設計で、折り目のないディスプレイや耐久性に優れた金属製ヒンジも特徴になるとされる。また、価格は2000ドル超と見込まれており、Appleの設計思想と市場の期待の双方が反映されたモデルとして注目を集めている。

折りたたみ式iPhoneに画面下カメラとパンチホールカメラを併用か

Digital Chat StationがWeiboで公開した情報によると、Appleが開発中とされる折りたたみ式iPhoneは、2種類のカメラ配置技術を同時に採用する可能性がある。内側ディスプレイには画面下カメラ、外側にはパンチホールカメラを配置する設計がプロトタイプに基づいているとされる。内側は14.1:1、外側は14.6:1のアスペクト比となっており、Oppo Find N5に類似したブック型構造が採用されている点も興味深い。これに加え、Touch IDが側面の電源ボタンに復活する可能性も報じられており、Apple製品としては珍しい仕様が並ぶ。

従来のiPhoneではFace IDやノッチが常だったが、今回の構成では画面表示を損なわずに認証機能やインカメラの配置を両立させようとする試みがうかがえる。Appleがこれまで採用してこなかった構造を複合的に取り入れることは、ユーザー体験の変化を予感させるものであり、製品としての成熟度を高める新たな一歩と見られる。一方で、こうした複雑な構造が量産段階で安定性を確保できるかどうかには不透明な部分も残る。

ヒンジ設計とディスプレイ構造に込められたAppleのこだわり

報道によると、折りたたみ式iPhoneはヒンジ部分に極めて頑丈な金属構造を採用し、ディスプレイには折り目が目立たない設計を実現しているとされる。Appleはこれまで、Galaxy Z FoldシリーズやPixel Foldなど既存製品が抱えていた可動部の耐久性や画面のしわといった課題に対し、独自の解決策を模索してきたとみられる。従来の折りたたみ端末がトレードオフとしてきた柔軟性と耐久性の両立を、Appleは技術的完成度で打開しようとしている点が注目される。

また、画面下カメラを採用しながら表示品質を維持するための処理技術や、機構の厚みを抑える設計が実現すれば、従来のiPhoneとは異なる体験をもたらす可能性がある。ただし、ヒンジ構造の精密さや長期使用における信頼性については、量産機での評価が待たれる。Appleが目指すのは単なるデザインの変化ではなく、日常使用に耐えうる完成度の高さであり、その点で他社製品との差別化を図っているとも考えられる。

折りたたみiPhoneの価格は2000ドル超か 高額化の背景にある構成要素

この新型iPhoneは、Appleにとって初の折りたたみ式モデルであり、その価格は2000ドルを超える可能性が指摘されている。高額化の背景には、ディスプレイ技術の高度化、堅牢なヒンジ構造、新しい認証機構の実装といった要素が挙げられる。特に、これまでのiPhoneでは見られなかった2種類の前面カメラ構成や、電源ボタン一体型Touch IDの復活といったパーツの統合が、製造コストの上昇に直結していると考えられる。

また、Appleが高価格帯に設定する理由として、初期投入モデルの限定的な生産数やプレミアム志向のユーザー層へのアプローチも含まれている可能性がある。Appleは過去にもMac ProやVision Proなどで、価格よりも技術革新の象徴としての製品を打ち出してきた経緯があることから、今回の折りたたみiPhoneも同様の文脈で捉えることができるだろう。一方で、高価格帯に対する市場の反応や普及ペースには慎重な見方も必要である。

Source:Neowin