Android 15の配信が大幅に遅れたサムスンだが、Android 16とOne UI 8では早期展開の動きが強まっている。Google I/O 2025での発言により、サムスンが2025年夏にAndroid 16を受け取り、6月初旬にもベータテストを開始するとの観測が報じられた。これにより、Galaxyの最新フラッグシップ端末では、7月から9月にかけて安定版のOne UI 8が配信される可能性が出てきた。
今回のOne UI 8はOne UI 7の改良版として設計されており、大規模なUI刷新は行われない見込みで、バグの少なさも予想される。なお、Material 3 Expressiveデザインは導入されず、視覚的な変更は限定的となる。前回の遅延を受けたサムスンがどこまで改善できるかが注目される。
Android 15の遅延を教訓に サムスンが描く配信スケジュールの改革

サムスンはAndroid 15とOne UI 7の配信において、ベータ開始が2024年12月、安定版の公開が2025年4月となり、6か月以上の遅れが生じた。このタイムラグは技術的な障害や品質調整のために発生し、一部ユーザーの不満を招いたとされる。さらにアップデートの一時停止という対応も取られ、従来の迅速な展開から逸脱した形となった。
この経験を受けて、次期アップデートでは配信体制の見直しが進んでいる。Google I/O 2025でのSameer Samat氏の発言をもとにすれば、Android 16は早くも今夏中にサムスンへ提供され、6月初旬にはOne UI 8のベータが開始される可能性が示唆された。これにより、フラッグシップ機には7月から9月にかけて安定版が配信されるという前例のない速度が現実味を帯びている。
ただし、Android 15の遅延が記憶に新しい中で、数か月以内の連続配信が本当に実現できるのかについては慎重な見方もある。とはいえ、今回のOne UI 8が大規模改変を伴わない点は、早期配信に向けた有利な要素といえる。
One UI 8は小幅な改良に留まるも 初期リークが示す新要素の兆し
One UI 8は、前バージョンであるOne UI 7が大幅な変更を伴っていたことから、全体としては機能の洗練に重きが置かれるとされている。これまでの情報では、通話情報やおやすみモードなどが「Now Bar」に表示されるなど、視覚的な改良が中心で、機能面での大変革は見込まれていない。こうした設計方針により、アップデートによる混乱やバグの発生を抑える意図が読み取れる。
また、Googleが提唱するMaterial 3 Expressiveデザインについては、現時点ではOne UI 8には組み込まれない見通しである。この新UIはAndroid 16の四半期ごとの機能アップデートに合わせて導入されるとされており、サムスンとしては安定性を優先し、段階的な対応を選択した形だ。
ユーザーにとって重要なのは、表面的な変化よりも、安定動作と細かな使い勝手の向上である。One UI 8がその期待に応えるものであれば、大胆な進化がなくとも高評価を得る可能性は十分にある。全体として、本バージョンは地に足の着いた調整型のアップデートとなりそうだ。
Source:ExtremeTech