Samsungが展開中のAndroid 15ベースのOne UI 7において、Galaxy Tab S9やS10ユーザーを中心にホーム画面のレイアウト崩れが発生している。とくに横向きのグリッドや3×7サイズのウィジェット設定を使用している場合、アップデート後に表示不良となるケースが報告され、Samsungは事前の設定変更を推奨している。

一方で、One UI 7は洗練されたアニメーションや強化されたGalaxy AI機能により体験向上が期待されていたが、これに水を差す形となった。今回の問題は、過去の大型アップデート時に見られた不具合の再来とも受け取れる。

Galaxy Tab S9とS10で報告相次ぐホーム画面不具合の実態

One UI 7へのアップデート後、Galaxy Tab S9およびS10の一部ユーザーから、ホーム画面のレイアウトが崩れる現象が報告されている。特に横向きグリッドの配置やフルサイズのウィジェット(例:3×7)を設定していた場合、アップデート後にウィジェットが画面上で不自然に表示されるなどの問題が発生している。これを受けてSamsungは、Good LockのHome Up機能を用いたレイアウト調整を推奨しており、5×7などの縦向きグリッドに変更することで問題を回避できる可能性があるとしている。

この不具合はアプリやウィジェットの互換性ではなく、OSアップデートによる描画レイヤーの変更やホームUIの調整に起因していると見られる。アップデートに際し、Samsungがユーザーに事前アナウンスとして設定変更を促した点からも、発生が予見されていた問題である可能性は否定できない。見方を変えれば、アップデートに伴うレイアウト仕様の変更が根本原因であるため、アップデート後に初期化やグリッド再構成を行うことが今後の安定運用に繋がるとも言える。

One UI大型アップデートで繰り返される初期不具合の構造的課題

One UI 7のリリースは、アニメーションの改善やGalaxy AI機能の強化など、体験面の進化が注目されたが、今回のホーム画面不具合を含め、過去のバージョンと同様に初期不具合が散見される点は看過できない。2024年のOne UI 6.1ではGalaxy S22におけるブートループやマザーボード不良、2023年のOne UI 5ではGalaxy Tab A8の動作遅延など、バージョンごとの不具合は常態化しており、ソフトウェア品質管理における課題を浮き彫りにしている。

今回の事例は端末が使用不能になる深刻なものではないが、設定によっては使い勝手を大きく損なう点で、日常使用に直結する問題である。SamsungはBYD9ビルドで一部の不具合に対応したが、展開開始直後の4月11日にはExynos版S24の不具合によりグローバル配信を一時停止するなど、毎回のように初期段階で混乱が生じている。これは新機能の拡充と安定性のバランスを取る上での試行錯誤の一環ともいえるが、OS進化のたびに起きるこうした問題は、事前のテスト不足や仕様調整の遅れを示唆しているようにも受け取れる。

Source:Sammy Fans