Acerは2025年のComputexで、クリエイター向けに設計された新型ノートPC「Swift X 14 AI」を披露した。搭載されるGPUはNvidiaの最新RTX 5070で、これに最適化されたNvidia Studioドライバーもプリインストールされる。CPUは最大でAMDのRyzen AI 9 365(Strix Point)を採用し、4基のZen 5コアと6基のZen 5cコア、さらにRadeon 880M統合GPUを備える。
14.5インチのOLEDディスプレイはDCI-P3を100%カバーし、Calman認証を取得。ポート類はUSB4やHDMI 2.1など充実しており、WiFi 6EやBluetooth 5.4にも対応する。加えて、76Whバッテリー、最大32GBのLPDDR5Xメモリ、PCIe Gen 4 SSDスロットを備えるなど、モバイルワークに配慮された構成が特徴である。
製品は2025年7月より欧州で1,999ユーロから発売予定。Acerはこのモデルを通じ、AI対応と映像制作分野における市場拡大を狙う姿勢を示している。
RTX 5070とRyzen AI 9 365の組み合わせが示す次世代モバイル性能の水準

Acerが2025年7月に発売を予定するSwift X 14 AIは、Nvidia RTX 5070とAMD Ryzen AI 9 365を中核に据えた構成を特徴とする。RTX 5070は最新のLaptop GPUとして、Nvidia Studioドライバーとの連携により、映像編集や3Dレンダリングといった高負荷処理において業務用レベルの描画性能を発揮する。
一方、Ryzen AI 9 365は、Strix Point世代のプロセッサとして4つのZen 5コアと6つのZen 5cコアを統合し、AIワークロードにも対応する設計となっている。これにより、CPUとGPUの両面からプロフェッショナル用途に応える構成が整えられている。
加えて、Acerはこのデバイスに最大32GBのLPDDR5XメモリとPCIe Gen 4 SSDスロットを搭載することで、マルチタスク処理や高速データアクセスの要求にも応える。こうした仕様群は、クリエイティブ業務やAI推論処理をモバイル環境で遂行するというニーズに的確に応じており、単なる薄型ノートという枠を超えた「ワークステーション的存在」としての立ち位置を強く印象づけるものである。
性能面の刷新に留まらず、RTX 5070とRyzen AI 9 365の組み合わせは、ノートPC市場における「AI対応設計」が本格化する一つの潮流を示唆している。Acerはその先陣を切る存在として、この機種で次世代のノートPCの方向性を明確に打ち出したと言える。
OLEDディスプレイと接続性の両立が生むクリエイター向けの機能的完成度
Swift X 14 AIにおける視覚体験の中核を担うのが、14.5インチのOLEDパネルである。解像度は2880×1800ピクセル、色域はDCI-P3を100%カバーし、Calman認証も取得済み。加えて、アスペクト比は16:10、輝度は340ニトと、映像編集や写真補正などの用途において、色再現と視認性を高次元で両立している。Acerはこの仕様をもって、単なる高精細表示ではなく「信頼できる色表現」が可能なディスプレイとして位置づけている。
接続性の面では、USB4×2、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2、HDMI 2.1、microSDカードスロット、3.5mmオーディオジャックという構成を揃える。これにより、周辺機器との連携や複数ディスプレイの同時接続が円滑に行える点も、創作活動の効率性に直結する要素といえる。さらにWiFi 6EおよびBluetooth 5.4対応により、ワイヤレス環境下でも最新規格による高速接続が実現されている。
こうした設計から判断するに、Swift X 14 AIはデザインや編集といった創造的業務において、機能的な「ツール」として完結する水準を意図して設計されている可能性が高い。単なる高性能機ではなく、作業効率や再現性において「使える道具」であることが、このモデルの最大の価値である。
Source:NotebookCheck