Nvidiaが今月発表したワークステーション向けGPU「RTX Pro 6000 Blackwell」が、ベンチマークテストにおいてRTX 5090を標準設定で10〜15%上回る性能を記録した。RedditユーザーやYouTubeチャンネル「Level1Techs」による実測では、4K解像度かつ最高設定の『Cyberpunk 2077』で平均126fpsを達成し、ゲーム性能でも一定の優位性を示した。

一方で、オーバークロック環境下では依然としてRTX 5090が一部で上回る結果も見られ、ゲーム用途における絶対的な優位とは言い難い。Pro 6000はVRAM96GBやCUDAコア24,064基など極めて高いスペックを備えるが、価格は最大11,000ドルに達し、一般用途としては現実的な選択肢ではない。

Nvidiaは本製品を明確にプロフェッショナル向けとして位置づけており、RTX 5090とは目的と市場が異なる。性能面でのアピールは強力だが、ゲーミング市場における地位に直接影響を及ぼす展開には至らない可能性がある。

RTX Pro 6000 Blackwellの性能優位とベンチマーク結果の実態

Nvidiaがひっそりと発表したワークステーション向けGPU「RTX Pro 6000 Blackwell」は、複数のベンチマークでRTX 5090を上回る数値を記録した。Reddit上の報告では、Time Spyで51,776、Time Spy Extremeで28,009というスコアを示し、これらはRTX 5090の標準設定時を10〜15%上回る結果となった。さらに、350Hzまで中程度にオーバークロックを施した状態では、Time Spyで54,300、Time Spy Extremeで30,019に達した。

しかし、オーバークロックされたRTX 5090と比較すると、Pro 6000は最大でも約5%劣る結果となり、ハイエンド環境では決定的な差がないことも示唆された。また、Cyberpunk 2077の4K環境での実行結果では、UltraレイトレーシングとDLSS自動設定において平均126fpsを記録し、ゲーム処理性能も極めて高水準にあることが裏付けられた。ただし、こうしたゲーム性能は副次的な価値であり、主たる用途は高度な計算処理や3Dレンダリング用途に限られる。

これらのスコアは、RTX Pro 6000が単なるRTX 5090の派生モデルではなく、プロフェッショナル用途における新たな基準点を提示するものである。ただし、実際の使用環境における差異はベンチマークと異なる可能性もあり、各アプリケーションでの性能発揮は用途依存となることも考慮すべきである。

RTX Pro 6000とRTX 5090の技術的相違と価格帯の乖離

RTX Pro 6000 BlackwellとRTX 5090は、同一のGPUアーキテクチャを基盤としながらも、構成要素と性能の面で明確な差異が存在する。Pro 6000はCUDAコアを24,064基搭載し、RTX 5090の21,760基と比して約9%増加している。また、VRAMはPro 6000が96GB、5090が32GBと、ワークステーション向けに最適化された構成となっている。最大消費電力も600Wに達し、一般的なPC構成では扱いにくい仕様である。

さらに注目すべきは価格であり、Pro 6000は8,000ドルから11,000ドルとされ、RTX 5090の価格帯と比べて3倍以上の開きがある。この価格差は、性能の優位性だけでなく、安定性、ドライバサポート、ECCメモリといったプロ向け機能が内包されている点に起因する。しかし、多くのユーザーにとって、性能差が価格に見合うか否かは慎重な評価が必要となる。

このようなハードウェア構成と価格設定により、Pro 6000はゲーミング用途とは明確に一線を画しており、あくまで産業用途や高精度な演算処理を前提とした製品であることが明白である。高い技術要件に応えるための設計であり、市場における競合製品との差異化が一段と強調されている。ただし、ゲーミングシーンでの応用が皆無とは言えず、特異な用途での需要が一部生まれる可能性は否定できない。

Source: TechSpot