今年秋の発表が予想されるiPhone 17 Airに、次世代の「シリコンアノードバッテリー」が搭載される可能性が報じられている。DigiTimesは、日本のTDKが従来比約15%多くエネルギーを蓄えられる新型電池の供給体制を整備中と伝えており、AppleInsiderもこれを採用候補として注目している。
薄型設計が強調される同モデルは、現行のPlus系モデルの後継と位置づけられそうだが、これまで薄型化とバッテリー容量の両立は困難とされてきた。すでに他社が折りたたみスマホで導入し始めたこの電池技術が、iPhoneにも拡大すれば、今後の設計トレンドにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
シリコンアノードバッテリーがもたらす15%の容量増加とその背景

DigiTimesの報道によれば、日本の大手電子部品メーカーTDKが、従来のグラファイトベースのバッテリーと比較して約15%多くのエネルギー密度を実現するシリコンアノードバッテリーの量産体制を進めている。この技術は、AppleInsiderが伝えるように、iPhone 17 Airへの搭載候補として浮上している。既存のリチウムイオンバッテリーよりも高いエネルギー密度を持つこの新型バッテリーは、端末内部のスペース効率を改善しつつバッテリー寿命を向上させる手段として期待されている。
iPhoneは年々進化を重ねる中で、薄型化と高性能化の両立という課題に直面している。特にiPhone 17 Airでは、筐体のスリム化が最大の特徴とされ、従来のPlusモデルの後継機としてその位置づけが語られている。これまでのバッテリー技術では、端末の薄型化がバッテリー容量の犠牲を伴ってきたが、今回の技術が導入されればその制約をある程度緩和できると考えられる。ただし、Appleからは現時点で正式な技術仕様や採用計画についてのコメントは出ていない。
他社端末で先行するシリコン系バッテリー技術の実例とiPhoneへの応用可能性
今回注目されている「シリコンアノードバッテリー」は、Apple製品としては新しい領域となるが、既に他社のスマートフォンにおいては実用化が進んでいる。たとえば、ブック型フォルダブルスマートフォンとして最薄クラスとされるHonorの「Magic V3」などは、「シリコンカーボンバッテリー」を搭載し、スリムなボディと一定のバッテリー性能を両立している事例として挙げられている。このような先行例からも、Appleが類似技術に注目する背景には一定の説得力がある。
ただし、シリコンベースの電池は膨張や劣化のリスク管理が難しいとされ、量産段階での技術的ハードルも依然として存在する。そのため、たとえTDKの供給体制が整っていたとしても、AppleがiPhone 17 Airに即座に導入するかどうかは不透明である。仮に採用されれば、薄型化と電池持ちの両立に加え、iPhoneの設計思想にも新たな潮流が生まれる可能性がある。Appleが今後どういった選択を下すか、発表時期とされる秋の正式情報に注目が集まる。
Source:CNET