Samsungが今秋にも投入を予定しているGalaxy S25 FEが、Exynos 2400チップセットを搭載した試作機としてGeekbenchに登場した。このSoCは、従来のExynos 2400eと比較してクロック周波数が100MHz高く、僅かながら性能向上が確認されている。

また、少なくとも8GBのRAMとAndroid 16で動作していることも明らかになった。フロントカメラも12メガピクセルに刷新される見込みで、従来のセルフィー画質を改善する可能性がある。Snapdragon非搭載ながらも想定以上の仕様に仕上がりつつある本機の構成は、期待値を再評価するきっかけとなり得る。

Exynos 2400搭載が確定か 試作機ベンチマークでS25 FEの仕様が浮上

Galaxy S25 FEがGeekbench上に登場し、搭載されているチップセットがSamsung製Exynos 2400であることが確認された。これは以前噂されていた廉価版Exynos 2400eではなく、Galaxy S24シリーズと同等のSoCであり、100MHzのクロック向上により性能面でわずかながらアドバンテージがある。搭載RAMは少なくとも8GB、OSはAndroid 16とされ、発売時には最新のソフトウェア体験を提供する可能性が高い。セルフィーカメラは10メガピクセルから12メガピクセルへアップグレードされる見込みで、画質の改善にも配慮されている。これらの情報から、S25 FEは単なる廉価版ではなく、Galaxy S25の設計思想を踏襲した実用性重視の端末として位置付けられる流れが読み取れる。

ただし、2400と2400eの差は限定的で、日常使用で大きな違いを感じる場面は少ないとみられる。それでもSamsungがあえてより高性能なチップを採用したことは、他社ミッドレンジとの差別化を意識した判断と捉えることもできる。近年のFEシリーズは価格と性能のバランスを最適化するモデルとしての存在感を強めており、今回のチップセット選定はその方向性を裏付ける材料となるだろう。

MediaTek採用の可能性は後退か Samsungが再びExynos推進へ

今年初めにはGalaxy S25 FEにMediaTekのDimensity 9400が採用される可能性も報じられていたが、今回のベンチマーク結果を見る限り、Samsungは最終的に自社製のExynosチップに回帰した形となる。Dimensity 9400はTSMC製造の高性能SoCとして注目されていたが、生産安定性やサプライチェーンの管理コストを鑑みた場合、SamsungがExynosを選択するのは自然な流れともいえる。また、Samsungがフラッグシップを含めた複数機種でExynos 2400を展開する方針であることも、今回の選定を裏付ける要素と見られる。

ただし、Exynos 2400はSnapdragon 8 Gen 3に比べると消費電力やグラフィックス性能での差が指摘されており、性能一辺倒の構成とは言いがたい。その一方で、コストやブランド統一性、技術内製化の観点から見れば、Samsungにとって自社SoCへの依存度を高める判断は中長期的に合理性を持ち得る。Dimensity搭載の噂が出た背景には、生産遅延や市場供給の柔軟性といった不確定要素があったと考えられるが、現時点ではExynos路線が軸となる可能性が強まっている。

FEシリーズの立ち位置が再定義される可能性 高性能とコスト抑制の両立へ

Galaxy S25 FEは、価格を抑えつつも中身の進化を果たしたバランス型モデルとして注目されている。過去のFEモデルでは、機能の一部が省略される代わりに価格を下げるという手法が一般的であったが、今回のS25 FEでは最新のAndroid 16や高性能チップ、カメラ強化といった要素が確認されており、廉価モデルというよりも“実用重視の準フラッグシップ”としての方向性が強調されている。さらに、ベースモデルのS25と明確に区別されながらも、ユーザーが満足できるパフォーマンスが維持されている点は、戦略的な価値を持つ。

特にRAM8GBの搭載は、一般的な用途における快適な操作性を担保し、長期的なソフトウェアサポートにも余裕を持たせる設計といえる。カメラの12メガピクセル化も含め、機能的な妥協を避けつつ、日常使いでの満足度を追求する姿勢が見て取れる。今後の展開次第では、FEシリーズの評価基準そのものが変化し、単なる価格重視モデルから一段上のカテゴリへとシフトしていく可能性も示唆される。価格と性能の分水嶺に立つ製品として、S25 FEの動向には引き続き注目が集まりそうだ。

Source:PhoneArena